野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ゆきあつのゆきあつによるゆきあつのための作品(微調整)
めんまの願いを叶えるため疎遠になってた幼馴染たちが再び集い出すお話。
全11話。
泣きどころ完備。
泣ける感動作と誉れ高いこの作品だったが、泣けると言う一点においてはこの前に見たソルティレイ最終回には一万光年くらい遠く及ばなかった。
あちらの最終回はボロボロ泣けたがこっちの最終回はジワッと泣きかけた。でもラストに至るまでの話の流れは評価が高いのも納得の出来だったと思う。
と言うかこれって最終回よりそれ以前の話のが面白かったと思うのは自分だけだろうか。
只、最初の印象は正直最悪だった。
メンマのあのどこか媚び媚び(に自分は聞こえた)の声と喋りが、受け付けないのだ。
それでも決死の覚悟で見続けようと思ったがそれも見ているうちにさほど気にはならなくなってくる。人は慣れる生き物なのだ。
この作品の大きな見所は、泣きなどでは無く人間関係やそれぞれの心理描写だと感じた。
5人が5人ともそれぞれが心の闇を抱え「めんま」という存在に複雑な感情を抱いている。
そこにはそれなりにドロドロした恋愛感情的なものも絡んでおり、そういうのが好きな自分は非常に楽しめた。
主要メンバー5人もキャラが良く立っている。
以前ココロコネクトで男キャラが薄いと書いたが求めていた男キャラの姿がここにあった。
ナイスガイなぽっぽは勿論だが、なんと言ってもゆきあつだ。
イケメンで頭もいい一見すると只の嫌な奴にも見えるこの男だが、主人公に対する嫉妬やコンプレックス、メンマへの執着、主人公への対抗心剥き出しのその姿にゆきあつを彩るほぼすべてに酷く共感出来てしまう。
自分は主人公よりやたらと人間臭いこの男に感情移入して見ていた。シンクロ率大体100%と言ってもいい。
自分の認識では彼がこの物語のもう一人の主人公だと思っている。
話自体も11話とお手軽サイズなのも+要素か。
以前、誰かに多少の中弛みはあるかも?と言われたような気がするが、そこまでの中弛みは感じんかった。
まぁ、強いて言えば花火あたり多少の失速感はあったような気もするが。
そういう意味では、ボロが出る前に11話と短い話で綺麗に終われたのも正解だったのかね。
しかしまぁ、あれだね。ガキの頃からの付き合いってのはいいもんだね。
段々と疎遠になっていくあの感じは妙にリアルで、ついついガキの頃を思い出しちまった。
泣けるという意味では、やや期待外れの感はあったけど(余韻残るラストは好き)、結構いい作品だったと思う。 お勧め。