たつじん さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
エソラゴトにはしたくないユメ
夜明け前の公園、その出会いは偶然だったのか、それとも必然・・・?
空の写真を撮るのが好きな高校生「森宮 依人(もりみや よりと)」
出てこない自動販売機と悪戦苦闘する「四方 茉莉(しほう まつり)」
一見、普通の恋愛物語が始まると思いきや意表を突く展開に・・・
全編シリアスタッチで描かれるこの物語は、ちょっと一風変わった恋愛ファンタジー
作品です。
茉莉を付け狙う、謎の子連れの「ダンディな髭男」。
どこか弱々しい、入院中の依人の姉「森宮 蒼乃(もりみや あおの)」。
蒼乃を慕う小学生の「こより」とその姉「石月 真名(いしづき まな)」。
一話で主要人物が登場しながらも、どう絡み合うのかが見えてこないストーリー
展開につい引き込まれてしまいました。
冒頭僅かに流れるシーンで、徐々に明らかになっていくそれぞれの人間模様は、
それはまるで紡いでいた時間がほどけていくよう・・・
「しがらみ」の謎が解けていくとともに、物語は徐々に加速していきます。
また、みなさんも書かれていますが、小物がとてもいい演出をしていました。
内側に空が書かれた「スカイアンブレラ」・味が想像つかない「トマトしるこ」・
「折り紙」などちゃんと物語の重要アイテムとして存在感を示しています。
石畳の階段、情緒溢れる路面電車、レトロな街燈。
長崎を舞台に描かれたこの切ない夢幻(ゆめまぼろし)には、どんな結末が待ち
うけているのか・・・?
観終わって、哀しいのに同時に透き通るような爽やかさも感じてしまいます。
作品タイトルSOLAにはそれぞれの想いをのせて運ぶ白い雲が・・・
大切な人を傍で見守る愛の「カタチ」を、メッセージとして見せてくれたように思います。