TY さんの感想・評価

4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

京アニのチャレンジ精神

米澤 穂信さん原作で京アニ製作の青春ミステリーです。

ちなみにこの米澤さんは純ラノベ作家というよりは、推理作家が
ラノベのフィールドに来た的な立ち位置の方。
そしてクオリティの高さと懐の深さには定評のある京アニとの
組み合わせなのでかなり期待して見始めた。


まず目に付く作画はやはりクオリティが高い。

今作では全体的に抑えめのちょっとぼけた、或いは褪せたような
色彩なんだけどその中でちゃんと鮮やかさも表現されてて言うなれば、いと雅な感じ。

舞台は飛騨をモデルにした山間の高校で、廃部寸前の古典部に集まった折木 奉太郎、千反田える、福部 里志、伊原 摩耶花の４人を
中心にストーリーが進んでいく。

このアニメの特徴は日常をサスペンスに仕上げたという点で、
のどかな普通の学園生活に潜む小さな謎をこの４人がまるで一級
サスペンスかのように仕立ててしまう。

なので目の前で人が死んだりとか身の危険にさらされたりとかは
ないので、その点で怖がりさんには安心の作品だと思う。

サスペンス好きはその点が物足りないと感じるのかもしれないし
自分も始めはそうだったけど、見方一つで物事がこうも違って見えるものかという驚きで、なんだか知らぬ間に引き込まれていた。

誤解のないように言っておくと、決して日常系アニメではない。
普通はスルーしちゃうような普段の何気ない疑問を突き詰めていくと、そこには見えづらくなった真実が隠れている、みたいな感じ
かな。

ちょっと難解なイメージを持っちゃうかもしれないけど、メインの４人の性格や思考がある程度わかりやすく描かれているので感情移入しやすいし、そこはこのアニメを見やすくしてくれてるように思う。

ただ推理に関してはなんとなく迫るとこまではいくが、結局答えには辿り着けなくて断念→後、折木さんにお願いする流れに持ち込まれるw

というのもこの作品では特に謎解きの局面では折木の一人称視点になっているので、彼が閃きの中身を明かすまでこちらは待つしかない。
まあそれがサスペンスというものなんだろうし、毎回それがちょっと悔しくもありつつ驚きをもたらしてくれる。

っとサスペンス要素についてはこんな感じなんだけど、学園モノ
としてもすごくよかったし、奥ゆかしい恋愛要素もありつつなので
きっと楽しめるんじゃないかな。

最後に、アニメでここまで本格的な推理ものを表現したことがすごいし、逆にアニメならではの強みも最大限に生かされてて２重にすごいな〜と思う作品だった。

しかし、千反田さん。。。気になり過ぎですw