ほるん吹き さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
心が震えるとき
(駄文をだらだら書き綴っているだけなので、適当に流し読みして下さいm(_ _)m)
私は基本、どのアニメ制作会社が作ったかというのは気にしないで(気づかないで)観ているのですが、シャフト、京アニとこのP.A.WORKSは特徴的なのですぐに分かります。
そしてどちらも数々の名作を生み出しているので、視聴前から期待値はかなり高めです!
もちろん、期待が裏切られることもありません。
P.A.WORKSは何といっても作画の素晴らしさ。
まるで実写のように美しい風景画や透明感があって可愛らしいキャラデザ、誰も気づかないでしょっていうくらいにまでこだわったモブキャラの細かい仕草など、丁寧に作品を創りあげているのがよく伝わってきます(もちろん内容も重要ですが)。
その内容はというと、多少ドロドロ展開もあるけど王道的なラブストーリー。
冬の富山・日本海の景色がより一層物語の切なさを際立てていました。
古典的な幼馴染ヒロインの比呂美と、電波的な不思議系ヒロインの乃絵、その二人の間で心が揺れる主人公の眞一郎、といった具合です。
ヒロイン二人の初登場シーンは印象的でした。
暗い狭い部屋でパソコンに向かっている哀愁漂う比呂美。
木の上で逆光をあびてまるで輝いているかのような乃絵。
その対比がそのまま二人の特徴を表しているようで、対照的な二人のイメージを強く印象つけていました。
好みはハッキリと別れると思います。乃絵派の方が多いかな?
ラストは得意の「祭り」締め!?
花咲くいろはは「ぼんぼり祭り」、TARI TARIは「白祭(学園祭)」、そしてtrue tearsでは「麦端祭り」と、P.A.3部作(勝手に命名)は「祭り」が重要なイベントとなっています。祭りって神秘的というか、独特な雰囲気があっていいですね。
あ、そういえば同じP.A.作品のAnotherも{netabare}ラストは「血祭り」でしたが、この祭りには参加したくないですねw(←これ言いたかっただけです、ごめんなさいw){/netabare}
ここからは壮大なネタバレ。
{netabare}好みの問題ですが、あの結末は…。あっちにこっちにと心が揺れまくった末に眞一郎が選んだのは比呂美。う~ん、まあそうなりますよね。
結果さまざまな出来事を通して3人とも成長できたけれども、眞一郎と比呂美2人の事情に巻き込まれて、乃絵の気持ちが弄ばれてしまった感が否めません。
比呂美が駄目という訳ではないし、むしろ共感できる部分も多いけどやっぱり乃絵がかわいそうすぎる!
乃絵の敗北、涙を流すことによる「真実の涙」で話自体はうまく締められたけど、なんともスッキリしない結末でした。
まぁだからこそ私にとっては忘れられない、思い出に残る一作ともなったのですが。
いいんです。比呂美は眞一郎のヒロイン、乃絵は私たちみんなのヒロインだから!
(あれ?どっかで聞いたセリフ?w){/netabare}
最後に音楽について。
主題歌の「リフレクティア」「セカイノナミダ」は言うまでもなく名曲、挿入歌やキャラソンなども豊富でどれも聴きごたえのある良曲です。
あぶらむし~♪も好きだけどあえてそれらはここでは割愛w
とりあえず私のお気に入りの4曲を紹介します
『そのままの僕で』(eufonius)
第10話挿入歌です。サビが爽やか過ぎて眩しいです!あのシーンあってこそのこの曲ですね。
{netabare}色々考えすぎて素直になれないでいた眞一郎と比呂美が、お互い「好きだーっ!」ていう思いをぶつけあい、色んなモヤモヤを吹き飛ばすような爽快感があふれています。
近すぎて逆に通じることのなかった思いが、距離を置くことになって初めて繋がる。
眞一郎の元を離れていく比呂美を、眞一郎が自転車で必死に追いかけるというのがまさにそれを物語っている場面でした。
青春っていいですね。同時に比呂美ちゃん大勝利~!でもあり乃絵派は涙目でしたけど…。{/netabare}
『涙の記憶』(eufonius)
特別版のみの13話挿入歌で、天にも召せそうなくらい荘厳な曲。あれ、心が震えたせいか自然と涙が…。
歌詞が物語終了後の乃絵にあてたメッセージのようにも聞こえます。
この曲を聞くと、true tearsが終わってしまう~、という感情から、ちょっと寂しい気分にもなります(個人的に)。曲の最後で「リフレクティア」の旋律がちょっと流れるのもその要因ですが。
キャラソンはメインヒロイン二人の曲を。キャラの特徴をよく捉えた、まるで彼女らの生き写しのような楽曲達です。
『もうひとつの空』(石動乃絵 CV:高垣彩陽)
あやひーさんの萌えキャラボイスによるキャラソンは私にとって新鮮でした。明るく可愛らしい曲で乃絵のイメージにはぴったりです。
かといってあざといというか媚びている感じはなく、純粋に元気いっぱいで明るい、そのままの乃絵の姿が思い浮かびます。
『雨の夜 虹の空』(湯浅比呂美 CV:名塚佳織)
物悲しいイントロに始まり、その後も暗く寂しげな旋律が続きます。サビではその雰囲気を残しつつも力強い歌となり、まるで逆境にも逞しく向かっていく比呂美の芯の強さを現わすかのように思えてきました。