るぅるぅ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人の本性がでるアニメ
屍鬼は小野不由美作の小説作品であり、十二国記,ゴーストハントなどアニメ化されています作者と漫画家 藤崎竜のコラボ漫画です(封神演技,WORLDSの作品がある)。
アニメとは違う内容があるので読むとおもしろいかもです。
興味がある方は読んでみては良いと思います。
作品タイトルからして、ホラー臭が漂っているなぁ・・・と想い見た訳ですが、ある単語を知るとかなり視聴が白けるアニメですね;
感想はネタバレに綴ります。
閉鎖された村で起こる惨劇によって進むストーリ構成は有りがちだが興味ひかれる点は心理描写にあります。
演出としてグロ描写もあるが作品の性質上、仕方ないです。
{netabare}
最終的に人と吸血鬼との生死を分けた争いに繋がるわけだが、この過程が素晴らしい。
EDについて不満が残るとの声が多いが、静信EDと思えたら納得できると思います。
なかでも静信と砂子のやり取りで共存への模索をするが、砂子の考え「人は生きるために豚や魚を食べるでしょ?でもそれは残虐な行いではなくて生きるための食事に過ぎない」
静信が否定できない心境。
人から観れば異種であり害を与える敵と考え滅ぼそうとする敏夫の考え方も当然であるが・・・あなたは砂子を否定をできますか?
私が砂子だったら同じ道理になるだろうし、人から屍鬼へと起き上がったら受け入れるしかないですね・・・
砂子の言葉からの引用ですが「人を襲わずに済めばどんなにいいだろう、誰も好きでこんな体になったんじゃないわ、でもね、ものすごくおなかが空くのよ」
ただ生きたいと願う想いを責めることはできない。
この作品テーマとして最初から答えを導くことは出来ないのだろう。
砂子にとって共存という考えに結びつくことはなく屍鬼だけの村を望むのだろう。
そして人も敏夫を筆頭に心の豹変もまた普通のことであり、それは狂気ではなく極当たり前の心情になる姿は人の本性なのではないでしょうか。
その描写は心底怖いと感じさせる作画は感心しました。
また、各々のキャラ夏野や徹といったエピソードを組み込むことで人の心情として悩まさせる葛藤。
そして村人達の身内の起き上がりに対する不安に混じった喜びなど細かく構成されており良かったです。
{/netabare}
あなたの考え想いを照らし合わせて観ると楽しめる作品になると思います。
長々と駄文を最後まで読んで頂きありがとうございます。