にゃんた さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
人の業
死後の世界からの手紙を届ける設定である以上、
エピソードのスタートは必然的に「人の死」。
そしてその死が、いかにしておとずれたか。
その過程における人の業を描く。
一応、各エピソードは独立しているが、
冷静で客観的な立場の配達人の少女が全話を通して登場する。
物語の進行とともに、その少女自身の謎に少しずつ迫っていく。
・・・というわけで、
設定は「スカイハイ」や「地獄少女」等とよく似ている。
人の業をエゲつなく描くことで視聴者にショックを与えて感情移入させ、
人とは何か、生きることの意味は何か、真に価値のあるものは何か
ということを考えさせるパターンの作品。
この場合、視聴者にショックを与えたいならば、
リアリティを維持したままで、少しだけ異常性を加味すればいい。
リアルに人の業を描く以上、ショックもリアルである必要があるからだ。
ところが、
この作品は演出が所々で強引なため、リアリティに欠ける。
「これはありうるかも・・・」と思えなければ、ただの絵空事で
感情移入は難しい。
ただ、このような演出を我慢できれば(或いは気にならないようであれば)
物語自体はとても良くできているので、
このタイプの作品を好きな方であれば、十分楽しめるはず。
各エピソードが独立しているようで、実は一部で繋がっており、
それが少女に関する事実の解明に向かって収束していくという設定も気に入った。