歌う猫川 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
心を揺るがす一作
色々なメッセージ性を秘めた作品と感じました。
皆さんのレビューを見ていると主に家族愛や姉弟愛などや、
地震の凄惨さなどが現実的に描かれていると書かれています。
これは完全に同意ですので、別の視点からの感想や考察を書こうと思います。
一際目に付く悪い部分は弟の周りが困る程の我侭さ。
とてもリアルな幼い子供の姿が描かれていて、正直見ていてイラ立つ事もありました。
終盤の展開は中盤に予想出来てしまったので残念だった。
もう少し分かり辛い描写にしても今時の視聴者には伝わると思う。
物語の主軸となる登場人物の名前をよく見て戴きたい。
未来「みらい」、悠貴「ゆうき」、真理「まり」
これは未来(みらい)、勇気(ゆうき)、真理(しんり)に置き換わる。
{netabare}辿り着いた未来は悠貴が居なければ到達出来なかったと言う。
物語の中でも触れられているけれど、それは主に人間としての悠貴。
言葉の勇気としての意味が暗に含まれている。
真理(シンリ)というのは有用な結果をもたらす観念を指す。
想い描く未来に辿り着くには勇気が必要だという考え方そのもの。
辿り着きたかったゴールは両親の居る場所。
一旦真理と離れ、悠貴は辿り着けなかった。
最終的に再び会う事で真理(考え方)として悠貴(勇気)の存在があった事を取り戻した。{/netabare}
完全なハッピーエンドを敢えて描かない事、
それにより人生観という深いメッセージを秘められている素晴らしい作品だと思いました。