kogeta さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
クオリティーが高い
名前の通り、東京に大地震が起きることから始まる姉弟のお話です。
アニメ放送は東北の震災前ですが当時の映像のような建物や人々の悲惨な状況が細かく再現されており、作品制作に対する真剣さと熱意がとても伝わりました。
主人公は中1の未来と小3の悠貴で、素直になれない年頃の姉と自分の感情にまっすぐな弟の対比が印象的です。
ラストは涙があふれて止まりませんでしたが、なぜか見終わった後も引きずるようなむなしさは残らず、悲しいけれど立ち止まらないでいられるような気分になりました。
きっと、悠貴が思い残すことなくちゃんと未来に想いを伝えることができたからだと思います。
失って初めてわかることがあるというのは周知の事実ですが、その本当の意味を実感するのは失ったときなのだろうなと思いました。
未来ちゃんの、ものごとや両親に対する姿勢はとてもよく理解できるし、悠貴くんのまっすぐさがまぶしくてイラつく気持ちもわかります。だからどこまでも健気で純粋な悠貴くんの優しさが心にしみました。
また、目を引くのは主役の2人だけではなく周囲の人々です。
命の危険が迫ったとき、誰もがあんなふうに他の人を押しのけ、助かりたいという願望をさらけだす可能性を持っているしそれは当然であると思います。
その中で、周りに目を配り声をかけ手を差し伸べるという行為が、偽善では到底できない偉大で尊いものだと深く深く思いました。
家族というものはこの世に唯一無二で、鬱陶しいと感じることがあっても、本当に本当に大切な絆なんだなと思いました。
大げさではなく、リアリティーを追求した完成度の高い素晴らしい作品だと思いました。