パセラン さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
子供の頃、ホラー映画だと思ってたw
公開:1997年/133分
ジブリ作品の中でも言わずと知れた超大作。キャッチコピーは「生きろ」
構想16年・製作3年を費やし、興行収入は歴代3位を誇る。(邦画のみ)
洋画を含めても歴代5位であり、その存在感は未だ健在である。
■ あらすじ ■
ある日、北東にある蝦夷の村に住む少年・アシタカは村を襲った
「タタリ神」を倒したせいで死の呪いをかけられてしまう。
己の運命を見定めるためにはるか西の地を目指して旅立つが
そこでアシタカが遭遇したのは、森を守ろうとする「もののけ」たちと
もののけの長「シシ神」を殺そうとする人間たちとの壮絶な戦いであったー
もののけ姫・・今ではジブリ作品の中で1番好きですが、昔は1番苦手でした。
オープニング明けにぐにょぐにょのタタリ神を観せられたら
そりゃあトラウマにもなりますよw子供には少しばかしショックだろうな~
ジブリお得意のファンタジー性が控えめで、逆にジブリ独特の怖さが出ていて。
なんというか、普段目を背けているさまざまな問題を
綺麗なフィルターを通して観ているようでした。
実際、宮崎監督はたくさんの主題を練りこんだみたいです。
1.子供たちの心の空洞
2.至る所に起こる差別
3.人間と自然との関わり
4.人間の増悪の増幅作用、殺戮へ突き進む闘争本能
5.神秘主義と合理主義の対立
・・すみません、自分バカなのでうっすらとしか理解出来ないのですが(泣)
要するに、小・中・高・大と定められたエスカレーター式の学業体制や就職難(⇒1)
人種・宗教・価値観の違いで起こる差別、はたまたイジメ問題(⇒2)
人間も元々は「自然」であり、自然に生かされてることを忘れた結果引き起こされる核問題(⇒3)
などを表しているのではないかと思いました。
映画の後半でタタラ踏みの女・トキが「生きてりゃなんとかなる」と言ったように
このような現実問題がひしめく中でも「生きろ」と
きっと宮崎監督は伝えたかったのだと思います。
メッセージ性の言及はこんな感じですが、それにしても映像美がすばらしい!!!
屋久島をモデルにした風景や針葉樹の森、生き生きとした人々やもののけたち・・
圧巻です。言葉が出ません。その世界に迷い込みます。
音楽もこころを掻き立てるものばかりで、いつの間にか
もののけワールドに誘導されていました( ゜Д゜;)
最近のジブリ作品は声優の選出についてあれこれ言われていますが、
この作品はむしろこのキャストしか考えられないほど完璧です。
美輪さん(モロ役)の声なんか鳥肌モノ。
あと別な楽しみ方としてはアシタカのイケメン具合!
いま考えれば、呪われた右腕ってかっこよすぎなんじゃw
だがしかし中二病臭が全くしない爽やかさ・・さすがジブリ。
やっと守るべき存在を見つけたアシタカ。サンと2人で幸せに暮らしてほしいです~
もののけ姫をもっと知りたい!という方は、製作現場をとことん追いかけた
「もののけ姫はこうして生まれた」という動画を観るのをオススメします ^^
1章が2時間ほど&全部で3章と少し長めですが、ジブリ最後のセル画と絵具を使い
1つ1つのモノに命を吹き込む製作の在り方は一見の価値あり!