みかんとラッパ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これは・・・アニメ!?
チベットをモデルとする
中央アジアの架空の小国「ウディヤーナ」の内戦を
取材する戦場カメラマンたちの取材目線から描いた物語。
第三者視点を一切廃し、一人称主観のカメラファインダーを示す画面のみでストーリーが進行する点が特徴で、
最初に見た時は
これは本当にアニメ、しかもWeb配信のアニメなのか・・・??
というのが正直な感想でした。
ストーリー展開に関しては
確かに他のコメントにもあるように
後半にかけて特に「イタイ」ともとれる
「芝居がかった」台詞は多かったと思います。
しかし自分には
かえってそれが現実的なんじゃないかと
思われてならないのです。
すべてのセリフはカメラを向けられて発せられている
という設定のため、フレームを意識すると
違和感はないような気がします。
ベトナム戦争を記録した戦場カメラマン
平敷安常さんの著作『キャパになれなかったカメラマン』
など、似たような手法・設定の作品は数は少ないですが
最後の結末が「権力のちょっとした気まぐれ」
で終わることは
現実ではよくある、というより
ほとんどがそうだと思います。
医療フォトでも
日本からも多くのドクターがアフリカなどのMSFの活動に
参加、その様子を伝えようとしますが
結局、現地空港等で写真・USBは没収
それも現地軍のみならずUN軍にも。
日本国内のニュース同様、世界規模でも情報操作は行われ、
現地で死んでいった人たちのことなど、
取り上げようともしない。
知るべきでないとされたことは
権力によって闇に隠される。
そうした現実を
このアニメで見事に表現しきったという点を
評価したいと思います。
石塚運昇さん本当にいい仕事されてます。
音楽もドラマ・アニメに欠かせない
池頼広さん。
OPは本当に良いし、
EDも最終話のちょっとした変化にとても感動しました!!!