りゃむ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
デフォルメすることこそキャラづくりの本質
中二病ってなんなんでしょうね?
そもそもは伊集院光さんの造語(なんかのラジオで言ったんだっけかな・・・)だそうです。
まぁ要するに医学的にも科学的にもそんな病気は存在しないんですよ。
んじゃそもそも中二病とはなんぞや・・・きっちり説明できる人っていないですよね。
造語ですもん。語感や概念的なものによる意味合いが大きく、確たる定義がそもそも存在しない言葉なんですよ。
さてこの作品、最初は“うーん・・・中二病をはき違えてないか?”なんて思っていたのですが・・・
でも結局のところキャラの魅力に魅了され面白いと思って最後まで視聴しちゃったんですよね。
これは中二病の物語ではないということを断言したうえで、様々な方向に派生し、いろいろな意味を付加された“中二病”というものをあいまいな部分、わかりにくい部分を限界まで還元し簡潔な部分、わかりやすい部分を究極的に誇張表現すると六花ちゃんやダークフレイムマスターみたいなキャラが出来上がりませんか?
つまりある一つのテーマを究極的にデフォルメすることも、ある種キャラづくりの第1歩なんじゃないかなぁと気づかされました。
言ってしまえばどこにでもある青春恋愛物語。
しかしここまでわかりやすく作られたキャラだからこそシナリオが輝く。視聴者が入り込みやすい。これは確実にあるとおもいます。
これは最近付加価値つけまくってコテコテになってしまったキャラ達へのアンチテーゼとも取れる気がします。
例えば音痴なのに絶対音感とか、どこにでもいる地味校生なのにもてもてとか、やせチビなのにすごく強いとか、スペック高すぎる主人公とかetc...
ギャップ萌やキャラ立ちを狙うあまり無茶苦茶な付加価値つきまくってますよね。
それに比べ彼らについてるキャラ設定って単なる“中二病”ってだけなんですから。
にもかかわらずキャラ立ちしストーリーが立つ。
このわかりやすさが作品の魅力なんじゃないかと思います。
それともう一つ。原作未読なんですが凸守はアニメオリジナルキャラクターのようですね。
にもかかわらずこれを知るまで原作にも登場しているのだと思ってました。
つまりアニメオリジナルをメインキャラクターに混ぜても違和感がない。これってかなりすごいことだと思います。
これもほかのキャラクターたちが単純であるがゆえに“混ぜるな危険”が仕事しなかった結果ではないでしょうか?
コテコテの装飾品で飾られたキャラに飽きた方にぜひともお勧めしたい作品です。