makkotty さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
すごく濃いSFでホラーで見ごたえがあるよ。
すごい設定と世界観
呪力という超能力をもった人々が、生きていくために遺伝子改良されている。
呪力……ものを動かしたり燃やしたり物質を分子レベルで変質させたり出来て、攻撃に使うと壊滅的なダメージを対象に与えてしまうレベル。それを超能力をもった人々は個体差はあるけれど誰でも使える。
誰でも使えるのでそれをもった人が争いに使って一度、文明が滅んで暗黒の歴史が500年~1000年続いて生き残ったのはそういう能力を持った0.数パーセントの人だけという世界。
だから人々は自らの遺伝子にいくつもの因子を組み込んで二度と争いが起きないようにする。
一つは狼が同種族同士で争っても壊滅的なダメージを与えないようにすう攻撃抑制。
もう一つは愧死機構という人間を攻撃すると頭痛、目眩、吐き気を催して殺すと自分が死んでしまうという遺伝子が組み込まれていたり……。
それでも世界は安定しない。
超能力を持つ人特有のやばい病気
業魔……本人の意識に関係なく超能力が漏れだして周囲の人やものを異形に変えちゃう。能力が高くいい人ほど成りやすいので世界への影響力がすごい。
悪鬼……能力を自ら行使して人を殺してしまう攻撃抑制や愧死機構を持たない。上にサイコパスで殺人鬼。
この二つの病気を持った人がいても、愧死機構があるのでそういった人は誰でも力を持っているのに誰にも止めることができない。
幼い子供ほどそうしたものに成りやすく、そういったものを恐れながら大人たちは子供を監視する……。
そして少しでもその気配を持った子供を殺す権利を持った教育委員会。
自分では殺せないので力を持たなかったり安定しない子供は、バケネズミというでかいネズミに襲わせたり、力を持っていて安定しない子は猫ダマシというライオンみたいな獣が襲いかかったり自殺を迫ったり。
一言で言えばもう滅ぶしかないような絶望的な世界観です。
そういう世界観でその他ボノボの性愛行動とかの遺伝子の因子や呪力、人間にとって変わろうとしているバケネズミといった生物、自分と異質なものを認めず殺そうとしてくる社会に振り回される主人公たちがどうなっていくのか。
SFな部分は考えさせられ、恐ろしい敵に追いかけられる恐怖……そういったものが交錯していて実に面白くて見応えがあります。