るぅるぅ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
戦車 × 萌アニメ絵
世界観は、女性の嗜みである華道・茶道に並ぶ戦車道という非現実的な芸道が日常となった女子高生達が励み友情を深めるというスポ根アニメ風に描かれている。
西住みほ について。
過去に水没する仲間を助け、優勝を逃し痛まれず、そして姉との比較・西住流の重み・価値観の違いと葛藤し転校。
しがらみの無いの友達が出来た喜びは伝わったが、彼女等(五十鈴華、武部沙織)の想いを尊重し再び戦車道へ駆り出される。
プロットの前後はあるが、事前に学園都市が無くなるかもしれないと伝えプレッシャーを与えた物語より生徒会メンバー・仲間に対して苦悩する姿があれば戦車に乗らざる負えない過酷な運命ともいえる視点で始まっても面白かったと感じる。
もう1つのストーリー展開として、みほの成長物語として描かれている。最終的にみほの戦車道の考え方・仲間を大切にする武士道は間違っていなかった。と、収束する絆を育む展開となる。
その基盤となっているのは、五十鈴 華の華道の道に行き詰り芸道(戦車道)へ賭ける想い・冷泉 麻子のおばあちゃんへの想い。
これらのエピローグでみほの家族への心情を比較する題材とも考えられ簡単には戦車道の道をたがえる事は許されないのが現状と伝わって来る。
また、彼女自身の戦車道への不安があり家族愛を欲していると感じられた。
ただ、みほが救われたのは、武部 沙織、秋山 優花里が彼女に憧れともいえる気持ちを表現し励ましていたからではないでしょうか。
みほの能力という点で最も欲していたのは、生徒会メンバーですが、みほの活躍で再び戦車道が活性され集まる仲間達からの期待へ答えたい気持ちが跳ねとなっていた。
みほを中心に進む内容構成で進む一方、姉・まほの描写が少なすぎる点は否め無い。
まほ自身もみほの戦車道に対しての考え方は、最初から理解しているが西住流という重みがあった為、戦車道から逃げたみほに憤りを持っていたんでしょう。
姉の立場そして次期頭首である立場から、みほを認められない描写がもっとあればラスボスの意地が見れたかもと。
実際に互いを憎みきれない姉妹関係という因縁から悪印象の植え付けが難しいのかもしれない。
そして母は最後に賛辞の拍手をおくる。
みほを認めたのだろうけど、一言みほに言葉を交わすシーンがあっても良かったのではと感じた。
みほは、姉に認められた想いにより自分の戦車道を見つけられた締めは良かったですが、母の気持ちは、みほにはわからない。余韻を引き締める要素としては欲しかった。
唯一の違和感は、努力描写が少ない。
戦略と戦術でカバーしている所が大きく。みほの存在を見せる一方、ストーリー展開の速さにより戦車・仲間集めにエピソードを割いてしまったのが原因と想う。
それでも絶命的な危機から見せる演出は、充分に見応えあって爽快感が凌駕していた。
それだけ作画の戦車の威圧感・速いカメラアングルによって臨場感が生まれ3Dゲームを体感するほど素晴らしい出来栄えであった。
戦車×萌アニメ絵というギャップによる斬新な切り口から魅せられた作品。
先日、大洗町がガルパンによって地域活性化に繋がっているニュースを観てアニメの影響力と貢献度の凄さを改まって知った気がします。
この調子で年内公開予定の映画も頑張って欲しい所ですね。