ヒロトシ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
見れずに死ねるか!
私の中では最高峰に位置する作品です。作画・脚本・演出・音楽とどれを取っても文句のつけようがありません。細かい説明部分は省いていますが、それが逆にテンポの良さを示すという結果に繋がっているのはご愛嬌。岩崎琢さんのスタイリッシュなOPに度肝を抜かれた人も多いのではないでしょうか。
{netabare}読子と偉人達の激しいバトルがウリなので、逆にくどくど説明されるのは無粋なのです。OVAなので、全3巻と短い作品ではありますが、1巻1巻がまるで1つの映画を見ているような感覚に陥る程、視聴者を飽きさせない激しい展開がノンストップで襲い掛かってくるので、見終えた後の充実感といったらありません。単純に見ているだけで楽しめる、エンターテイメントのお手本の様な作品ではないかと思います。
主人公である読子・リードマンの声を演じているのは元アイドルで現在は女優業で活躍されている三浦理恵子さん。最初名前を拝見した時は、不安が頭を過りましたが、いざ見てみると何とまあ読子の天然ボケなキャラに合っている声なんだ!と一瞬でこの人以外、読子の声は考えられないなあとすっかり信者になってしまいました。読子は一流のエージェントという顔を持ちながら、日常生活はねねねの助けを借りないと送ることすらままならないという問題児という設定ですが、いざ仕事になっても基本的にはポケポケさんの雰囲気のままなんですよね。その雰囲気のまま、激しい戦いをこなし、時には大胆不適なアクションにも挑戦する最強の『文系ヒロイン』として、存在感を随所で放っているのが、面白いなあと思います。
偉人も平賀源内、オットー、ファーブル、三蔵法師等、一見セレクションがどう考えても戦闘向きではない人選ですが、いざ戦うと、自分の得意分野を活かしてそれぞれ強力な戦闘員になるのは見ていて、ワクワクしました。まあ三蔵法師は西遊記の影響を受けているので、架空作品の引用という具合で、同じカテゴリーに入れていいのかどうか分かりませんがw まあこういう面からも、読子みたいに一見戦闘力がないキャラが縦横無尽に暴れまわるというのが、ギャップがあって、この作品の面白さを形作っているのかなあと、感じます。
この物語の真の結末がテレビ版まで持ち込まされるわけですけども、OVA単体でもきちんと決着がついているのが好印象。最初本にしか興味が無いと思っていた読子が『親友』との約束を健気に守り通していたというのが、見終えた後には感慨深かったですね。全く欠点無いわけではないですが、私の一番好きな作品として、このレビューでは好きな要素だけ語らせてもらいました。{/netabare}