るぅるぅ さんの感想・評価
4.0
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
レビュー難しい・・・。
このアニメの原作である著者・貴志祐介について簡単な説明。
彼の主な作品は、「悪の教典」、「青の炎」、「黒の家」など多く映画化され、どこかで皆さんも聞いたこと観たことがあるかもしれません。
ホラー小説がメインですが、今作のSF構想はデビュー当時から練れ重厚かつその内容は傑作と呼ぶに相応しいです。
ただ、原作もアニメと同じで序盤はなかなかページが進みませんが、怒涛の展開に夢中になれます。
このアニメを主観でレビューしようか正直悩みました。
私は既読であり、アニメの演出の出来栄えが気になり視聴していました。 多くの評価は、説明不足と酷評の嵐で視聴断念、作画崩壊、BL,百合だとネタアニメとして扱われる処遇・・・。
そして最後まで視聴した方は、おもしろかった! という感想。
何が言いたいのか、最後まで観ないとわからないアニメ。
実際、序盤から中盤に駆けて、専門用語が多く方向性が掴みにくく、つまらないと感じる人が大半だったと想います。
ですが、考察する手がかりを元に想像するのがこの作品の醍醐味と私は感じます。
そういう意味では原作を忠実に再現しています。
ただ、アニメ上、萌がないので過剰演出だろという点もありましたが・・・{netabare}BL・百合は、ボノボ社会を真似て闘争本能の抑制という描写が過剰すぎます。 {/netabare}
世界観の構築は、12歳、14歳、26歳と三部構成。
ただ、これは早季の手記が1000年後の人類に宛てられた内容であって、彼女の主観です。その他の背景が見えない点が視聴前後に煩わしも感じる部分もあります。
早季が無力な存在であり主人公としての魅力が欠ける部分もありますが、作品の本質はそこでは無くテーマだと私は感じます。
人類が繁栄する為に得た呪力と呼ばれる超能力によって、平穏な日常が徐々に崩壊した先に未来があるのか。
SFホラーですが、一から緻密に築き上げた世界観は他のアニメには無い魅力があり、終始陰鬱な雰囲気かつ生々しいグロテスクな描写・家路が流れる儚さを感じて欲しい作品です。
人としての道徳的見解を問うメッセージと同時に変革を遂げようとする身勝手な意志をあなたに送りたい。