ワタ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
LOVE KANON
原作既読者の立場からレビューさせて頂きます
まずOPのクオリティの高さに度肝を抜かれました。そうきたか!って感じですw
ELISAの英語歌詞による美しく澄んだ歌声と、電脳世界を模した映像が絶妙にマッチしていて
思わずエンドレスリピート。私的、2010年ベストOPアニメーション。
歩きながらゲームやってるだけの桂馬が神々しく見えるってどういうことなの・・・
最後にタイトルが表示される演出も鳥肌モノ。
ただ本編の方はかなり微妙。どう考えても尺の配分がおかしい。
第1話で桂馬とエルシィの出会いと契約に加えて、歩攻略までやっちゃうのは詰め込みすぎ。
逆にかのん編&栞編は4話もかけてるんですよね。丁寧なんだけどテンポの悪さの方が気になる。
特に栞編は演出過剰なところもあって置いてけぼり感が・・・
尺の配分的には実質1.5話分の美生編がベストだったと思います。
落とし神と呼ばれるギャルゲー厨の主人公・桂木桂馬が、ゲームの理論を駆使して
現実の女性を次々と攻略していく、というのが本筋であり本作独自のおもしろ設定。
原作では「コミカルにテンポ良く」ストーリーが進んでいくんですが
アニメではこの持ち味が消されてしまい残念。丁寧過ぎるし真面目過ぎる。
むしろ本筋より、桂馬の語るギャルゲの薀蓄や格言、落とし神モード時のトチ狂いっぷりの方が
印象に残りますね。どのヒロインよりも明らかにキャラが立っている主人公です。
声優に関しては、とりあえず人気声優を片っ端からブチ込んでるわけですが
はまり役と言えるのは、エルシィ-伊藤かな恵 ぐらいですかね。
原作既読のせいか、どうも全体的に違和感がありました。
桂馬役の下野紘も悪くないんだけど・・・やっぱり福山潤がよかったかなw
唯一、かのん役のみ当時新人だった東山奈央でした。
本作のアニメ化は、原作販促とこの新人声優を売り出す狙いがあったと思われます。
それと同時にかのんのアイドル設定を使って、キャラソン出して一儲けってところでしょうかw
作中でも露骨に挿入歌が押され、販促臭がキツいと感じた人もいると思います。
しかし、LIVEシーンのクオリティは圧巻の一言。
かのんの豊かな表情、振り付けの細かさ、会場全体を包み込む熱気、臨場感。
差し出した手の動きに合わせてエンドテロップが避ける演出には感動を覚える程w
全く、どんだけ気合入れて作ってるんだと・・・
そして何より楽曲が素晴らしい!
ステマ臭くて申し訳ないが、中川かのん1stアルバム「Birth」は名盤と言っていいです。
全体を通して「ライブ」を意識した曲順構成となっていて
1曲目のインスト→LOVE KANONの流れや
締めのバラード→ハイテンションなアンコール曲→インスト、このラスト3曲の構成も秀逸。
録音機材に金をかけているのか、音質の良さもちょっとあり得ないレベル。
どんなに商法があざとくても、この出来であれば全く文句は言えませんね。
アイドル好きの方はもちろん、そうでない方も一度聴いて欲しいです!マジで。
予想以上に長文になってしまった・・・最後まで読んでくれて、ありがろん