ゴリラの唐揚げ さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
魍魎に憑かれた者達の物語
父との子供を身篭って真実を隠しながら生きてきた陽子。
木場ともう少し早く出会っていればよかったのですかね、私はあの終わり方も好きですが。
従順すぎるが故に究極の愛の形へ到達してしまった雨宮。
加奈子が最終的にあのようなことになってしまっても彼は幸せだったのでしょうね。
私が気に入ったのはこのセリフ
「脳は鏡だ。機械に繋がれた脳が産み出すのは、脳の持ち主の意識ではなく、繋いだ機械の意識だ」
精神だけを独立した存在だと考え、精神を偏重してしまうのではなく身体がなければそこに心はない。
そして自我が成立するためには、自我を納める本人の身体も存在しなくてはいけない。
身体が違えばそれは本人ではありえない、という誰しもが持っている意識について考えさせられる言葉でした。
魍魎が死者を食らうおぞましい姿こそ、美馬坂を喰らう久保であり、それはまさに魍魎の匣だったように感じました。
確固たる信念がなければ誰もがとおりものにかかる可能性は十分にあるという事を教えられた良い作品でした。
それにしても雨宮の持った匣に魅入られてたくさんの人々を殺害してしまった久保ですが、事件後にテレビが発売されている描写もありましたし彼ももう少しとおりものに魅入られらないような信念があればテレビという名の匣で満足できたのかもしれませんね。