ワッキーワッキー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
日本神道を勉強していればもっと楽しめたかも…
構成が素晴らしいという事で2回に分けてレンタルし一気に?観ました。
ストーリーとしては
三つの事件、少女の誘拐事件、バラバラ殺人事件、新興宗教事件を有志の雑誌記者、小説家、探偵、書店兼神社の神主が推理していくといったものです。
感想としては、やはり素晴らしいと思いました。
なぜそう感じたのかと言うと、ミスリードが上手く多用されていて、はじめは読みの中に正解も入っている事もありましたが、話が進むにつれて考えのベクトルをうまくそらしていく手法が全く違和感を感じる事がなく、誘導されてしまう所が秀逸だと思います。
また、登場人物に全く無駄がなかった事にも好感が持てました。それぞれが事件と密接に関係していて、誰が欠けてもラストには結びつかないようなところが良かったと思います。
そして、時代背景も昭和20年代の東京と言う事で、現在の実名の地名や駅名が使われ、何となく現在の面影?(日本語がおかしいですが)が感じられたのも、かなり取材したんだろうなと思い好感が持てました。
次に、作品を視聴中に考えた事ですがフィギュアみたいだなと思って観ていました。
だとすると、作中のセリフで「幸福になるのは簡単だ、人間をやめてしまえばいい」と言うのがメッセ―ジなんでしょうか?確かに、フィギュアを愛でるときは現実から逸脱してしまっているかもしれませんが本当に伝えたい事はまた別にあるように感じています。
そして、人間と箱または四角形の密接な関わりも考えさせられました。
私の好きなアーティストに山口薫という画家がいますが、その方の作品にはしばしば黒い長方形のものを人が運んでいる所が描かれています、私の考えでは棺桶で死の境界を描いているものではないかと考えていますが、本作品魍魎の匣ではまだ円筒形の土葬なので…関係性は薄いかもしれませんが、そういった作品から人と四角形の関係を考えると面白いかもしれません。
余談になりますが、
{netabare}作中では人工臓器は三階建ての建物に収まっていますが、私の中学時代(約十数年前)にたしかテレビだったか、先生だったかは忘れましたが肝臓を作るには東京ドーム分くらいの大きさになってしまうと聞いた気がします。現在はどうなのかは判りかねますが、昭和20年代にしてはだいぶ進んでいたんだなぁと思ったりもしました。{/netabare}