ヒロトシ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
みなみけをみなみて
最終回まで視聴しました。
みなみけはこれまでテレビシリーズは4作品作られました。
特徴的なのは、基本的にスタッフが続投しない事。4作続けてのみなみけ皆勤賞は音楽担当の三澤康広さんぐらいしかおりません。制作会社もおかわり・おかえりを担当したアスリードが続けて制作を担当はしていますが、スタッフはほぼ入れ替えになっています。私はみなみけを全シリーズ把握しておりませんので、3期に関してはどうなっているか分かりませんが、その期ごとのみなみけのカラーは各々全然違うのではないでしょうか。私も当初4期は1期に似ている!とも感想を書き込みましたが、1期に似ているというよりかは、1期が原作重視で制作、4期も、これまた原作重視で制作を行っている、目指した方向性がお互い原作を重視する事がたまたま重なっただけで、成功と言われた1期の方向性を意識していたわけではないというのを公式サイトからの、川口監督のインタビューで知りました。そのインタビューを読んで、一部気になった箇所がありました。
『とにかく、原作の雰囲気を大事にすることを最優先で考えました。作品の中の空気をそのままアニメでも伝えたい、というのが、先ずありきで。また、前シーズンを見ていなくて、今回のアニメから見はじめたという人にも、各々のキャラクターの性格や関係性がわかるようにすることも大事なポイントとして考えました。』
この中の未見の人に対する配慮として、キャラクターの性格や関係性がわかるように~の部分が気になったのです。
{netabare}とは言われましても、アニメでは詳細なキャラ紹介をしているわけでもなく、精精第1話で南三姉妹の簡単な紹介を千秋がしただけ。その後はまあ、いつものみなみけ。それでも自分は、このシリーズから観る人に随分不親切だなとは特別思いませんでした。なんでだろう~?なんでだろう~?と気になって、ちょっと考えてみました。
で、ふと思ったのが、OPの演出。
そういえば、みなみけ ただいまのOPは、登場人物が作中でどういう立ち位置か直感的に分かるようになっている構成だなと感じたのです。それで1期のOPも見直してみたら、これまた構成が似通っていました。他のもどうだったっけと2期・3期もついでに観ましたが、異彩放っているのは2期だけでした。
ただいまの話に戻りますが、最初に夏奈を中心に話を展開しているのも上手いと思いました。南家三姉妹の中では、はるか陣営・千秋陣営と一番気兼ねない絡みが出来るのは、夏奈だけですから。とりあえず夏奈を中心にしておけば、それだけで登場人物の魅力が早い段階から引き出せるというメリットがあるのではないでしょうか。ハルカだと、どうしても年下の子には年下という感じで接してしまいますし、千秋は基本的に人見知りする性格なので、馴染みのある人間以外には、千秋の魅力が発揮しにくいという難点があるんじゃないかなと考えます。{/netabare}
ストーリーがほとんどない作品なので、最終回まで見た感想というよりは、ただいまのコンセプトとそれに関する私的考察的な文章になってしまいましたが、みなみけはやはり奇抜な事をするのではなく、基本的に原作に忠実にした上で、各監督がやりたい事を積み重ねていく方が面白くなるよなと感じました。
しかし特に展開にメリハリがあるわけでもない。キャラの会話だけで普通に楽しめてしまう。しかも最終回までとうとうハズレ回がなかった。改めて恐ろしい作品です。でも、そんなみなみけが私は大好きです。(2013.4.02)
みなみけは2期で途中脱落した人間です。1期の時の面白さを期待していたのですが、どうも合いませんでした。3期はなんだかんだで見る気が起きず、今回初回で評判が良かったので、視聴してみた折、私の知っている『みなみけ』が帰ってきた!と楽しみながら視聴しています。ちなみに原作は5巻まで読んだ事があります。
{netabare}調べてみたら、川口監督作品なんですね。『にゃんこい』が好きだったので、川口ギャグは私に相性が良いのかなとも思ったり。ですけども。『みなみけ』の面白さである、爆笑とまではいかないんだけど、ついつい笑ってしまう独特の雰囲気が原作からちゃんと受け継がれているのも、大きいですよね。みなみけの笑いは計算された笑いという特徴があるので(時々ネット上で見かける『アンジャッシュ』に似た笑いという表現がピッタリです)、台詞が面白いだけではなく、時折挟まれる、やり取り途中の『間』が重要になってきます。
で、アニメでは『間』を表現するのが結構難しいのですが、これに至ってはほぼ完璧で、原作を読んでいる身でも、時々原作を超えているんじゃなかろうかと思う程の完成度。タケルおじさんが絡んでくる場面は、間で笑ってしまう事が結構多いですね。まあ、スタッフのおかげというよりかは、このシリーズはもう4作目ですし、ほとんどの声優さんが1期から長く続投されているので、その辺はかなり熟知されているせいかもわかりませんが。いずれにしろ、ゆる~い雰囲気とは裏腹に、かなり綿密に作られている作品だなあという印象を私の中では持っています。キャラクターの個性で笑わせるという面もありますが、それだけに頼らない笑いを目指しているのは評価出来るのでは。原作の力も大きいとは思いますけども、2期の出来を見る限りでは、原作に頼るだけでは駄目ですね(2期は余計なアレンジを入れたのも敗因ですが){/netabare}
今期の中ではかなり面白い作品ですし、所謂ハズレ回というのが現時点ではありません。頭をカラッポにして楽しめるタイプの作品ですし、出てくる女の子達は皆可愛いですし、男も皆性格が良い奴ばかりなので、一種の癒し作品として私は毎回楽しみにしています。総合的な評価は最終回が終わってから判断しないといけませんが、未見の人に充分オススメ出来る良い作品であることは、現時点でも自信を持って言えますね。(2013.03.03)