桑野りん さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
これ以上観たくないと思っても美しい歌や作画で引き留める
アニメがオリジナルの作品を久しぶりに観ました。
人の心が具象化するという世界観がすごく面白い。
誰だって武器を持ち、戦う可能性をもつ世界。
ただもう一方で強い者と弱い者の区別がはっきりついてしまう。
主人公は心が弱く、身体能力が並というどちらかと言うと平凡より下の設定。
でも彼の考え方には強く共感できます。友達として付き合っていてもどこかよそよそしい「友達風のもの」はいるけれど、本当に自分のことを受け入れてくれる人が居ない。
自分が心を開かなければ誰も心を開いてくれない。とても当たり前で、でも17歳の学生には足踏みしてしまうこと。そして唯一そばにいて支えてくれる友人やヒロインに依存してしまう。
顔はかっこいいと思います。ヒロイン以外から好意も持たれているので。
主人公は色んなことに巻き込まれ巻き込み、一時頂点に立ったかと思えばどん底まで落ちて、様々な試練を与えられます。
それが観ていてとてもつらい。観るのをやめてしまいたいほどに。初期の平穏な生活での共感に、観ているこちらが苦しめられました。本当に苦しくて、弱すぎる主人公のことを一瞬でも嫌いになったり…
でもそんな物語にも癒しは訪れます。ヒロインの美しすぎる独唱です。
この物語は歌が大きな意味を持ちます。2話に1度は必ず歌われる歌は、ジブリを彷彿とさせる声の柔らかさに、切ない歌詞というのが魅力です。
ぜひぜひ聞いてみてください^^
さて今回どれくらい泣いたかというと…
1、2度でしょうか;私にしては少ないですが、一気にどっと泣いたような印象で、じわじわ泣くというかんじではなかったです。
人間の本性が全面に押し出されたシビアな、けれど美しい作品。
途中で投げ出したかったけれど、最後まで観てよかった。今ではそう思います。