disaruto さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
[酷評]「狼と香辛料」の下位互換
制作はアームスで原作はライトノベルです。
ジャンルは経営ファンタジーです。
「人間」と「魔族」の戦いが続く世界。
「勇者」は魔王城に乗り込むものの、そこにいたのは人間の姿をした女性の「魔王」であった。
彼女は「勇者」に対して契約を持ちかける。
スタッフ・キャストに「狼と香辛料」に携わっていた人が多かった作品です。
お金を扱っているので似ていますが、大学の学部でいうと「まおゆう」は経営学部で、「狼と香辛料」は商学部といった具合に違います。
他作品との比較はあまりしたくないのですが、宣伝の時点で「狼と香辛料」の名前をやたらに出していたので、やはりどうしても比べてしまいます。
正直、これ見るくらいなら「狼と香辛料」を黙って見ておけと人には勧めるでしょうね。
本作で私が気に入らない点は以下三点。
まず一点目はキャラクターです。
本作のキャラには役職名がついており、名前がありません。
そのため「勇者」「魔王」「女騎士」「メイド姉」のような登場人物名になっています。
分かりやすいような気もしますが、やはり感情移入がしにくい。
名前は付けた方が良いですよw
また、1クール作品の割に登場人物が多く、人間関係が複雑です。
一回見ただけでは恐らく全部を把握するのは無理だと思います。
加えて、主人公二人のキャラがあまり魅力的に映らなかった。
登場人物の多さが、アニメにおいて完全に仇になっています。
何でイチャラブしているのか良く分からないw
二点目は演出です。
せっかくのファンタジーなのだから、戦闘シーンをもう少し面白くできたような気がします。
本作は原作が会話文しかないらしいのでお門違いかもしれませんが、アニメなのだから派手さはある程度重要。
前提として勇者が最強なので盛り上がらない。
かといって、戦術・戦略が凝っていて面白いのかと言われるとそうでもない。
各種交渉のシーンも緊迫感が感じられず面白みに欠ける。
何だか回想シーンのような淡白さがあります。
三点目は規模の大きさです。
別に大きいのは問題ないのですが、収拾がつかなくなってしまっています。
かなり端折ったのが原作を読んでいなくてもわかります。
どんな風に進んでいるのか話が見えにくいだけでなく、本作は歴史的なお話が入ります。
農業、貨幣、宗教、戦争といった、中世ヨーロッパを意識したものですね。
何が言いたいのかというと、超ややこしいw
本作は何を見せたいのか?
イチャラブか?ファンタジーか?史実に沿った硬派なストーリーか?
どれも中途半端に私には思えてしまいました。
総括して、私の期待値が高かっただけかもしれませんがちょっとがっかりかもです。
ただちょっとした世界史と政治経済の勉強をしているような感覚になってしまいました。
「狼と香辛料」スタッフを売りにしたのが、逆に足を引っ張っているような気もします。
私から言えることは、「狼と香辛料」は出来が良かったなということw