disaruto さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「個性」と「偏見」。主人公の奮闘っぷりを笑うアニメ
制作はAIC Buildで原作はライトノベルです。
ジャンルはコメディです。
近年多い、やたら長いタイトルの走りになった作品でしょう。
主人公の高坂京介は家の中で「星くず☆うぃっちメルル」のDVDを見つける。
いかにもオタクっぽいこのDVDの持ち主が、長い間疎遠になっていた完璧超人の妹、桐乃の持ち物だと知る。
秘密を知った京介は、桐乃に「人生相談」を持ちかけられる。
いかにもなタイトルなので、萌え系か?と思う方もたくさんいるかと思いますが、序盤は全く萌えません。
特に桐乃は異常にツンなので殺意が湧く可能性がありますw(私です)
キャラはラノベ原作の強みでなかなか立っています。
ですが、あんまりキャラ自身を楽しむ感じではないように思えます。
どちらかというと桐乃がオタクとしてどのように人と関わり、成長していくかを楽しむ感じです。(家族、学校の友達、オタク友達、仕事関係)
まあ実際、動いているのはおおよそ京介なんですがねw
コメディの割にシリアス展開が多く、メリハリが効いています。
その題材も真正面からは取り扱われないもので結構新鮮でした。
以下考察。
{netabare}オタク趣味な登場人物や、オタクをテーマとして扱う作品もあるかと思いますが、そこまで周りの厳しい視線を描くものはありません。
基本的にそのようなものはギャグで流されるからですね。
この作品はそこら辺をあいまいにせず、シビアな目線で描いています。
世間の目として、父親・あやせが主に置かれています。
ちょっとデフォルメが強いような気がしますが、潔癖な人だったら普通にあり得そうです。
私の知り合いにもオタクを毛嫌いしている人がいます。(私がアニメ好きということをその人は知らないw)
それでも桐乃は自分にとって大切なオタク趣味を捨てません。
「あやせもエロゲーもどっちも大事。だから選べない」
桐乃の発言はふざけて言っているみたいですが、とてもまじめに言っています。
自分の「個性」を形成するものはとても多い。
ネット社会も相まって参加しているコミュニティも必然的に多くなり、その傾向がさらに強い。
そのどれもが「私」であるわけで、一つでもなくなったら「私」ではなくなる。
それを桐乃は大事にしてこのような発言に至ったわけです。
まあ実働するのはほぼ京介なのですがw{/netabare}
総括して、いかにもオタクっぽくて内容のない、ただの萌え作品だと偏見を持っている方にもぜひ挑戦してほしいです。
ひょっとすると新たな視点が生まれるかもしれませんよ?
凝り固まった「偏見」は、何も生み出しませんからね。
まあ責任は負いませんよw