disaruto さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
哀運命(かなしみのさだめ)
制作はアスリード&AICスピリッツで原作は漫画です。
ジャンルはバトルアクション・ダークファンタジーです。
原作はありますが、設定だけ流用した原作の前日譚になっています。
そのためタイトルに「零」がついています。
グロいことに加え、なかなかの鬱展開なので苦手ならば注意です。
本編のあらすじを書くとネタバレになるので今回はやめておきます。
本作と言えば、何と言ってもストーリー構成が変わっています。
普通、一話で{netabare}主要人物が全滅するとは思わないでしょ?{/netabare}
私は「グロくて泣ける話」という前情報しか知らなかったので唖然としました。
そして、二話でこれまた{netabare}主人公っぽい人が強力な敵に殺されるとは思わないでしょ?
まあ、実はこっちは殺されてないですけどね。{/netabare}
このような事情もあって非常に取っ付きにくい作品です。
加えて三話も盛り上がりに欠けるところがあり、ここまでで断念する人がかなり多そう。
百合百合している描写が有名なので勘違いしそうですが、全体的に重いです。
ざっくり言えば「疑似姉妹」「家柄」にまつわるとても不幸なお話。
主人公がだんだん精神的に追い詰められていくさまは非常にうまく描かれています。
それだけに前半の仲の良い描写が後半にじわじわ効いてくる。
後半は本当に引き込まれる展開で、悲しい展開が見えているのに止まらないという感じになりました。
主人公に起こった出来事と言えば、
{netabare}・跡継ぎ争いに巻き込まれる
・義理の父が義理の姉に殺される
・義理の姉に襲われ、逆に彼女を殺す
・三途河によって半植物状態になる
・対策室メンバーに疑念を持たれる
・許嫁と仲違いする
・神楽とすれ違う
→悪霊となって同僚を殺していく{/netabare}
不幸すぎて逆に笑えるレベルです。
主人公は何も悪いことはやっていませんからねw
ここまで不幸な人生を送った主人公も珍しい。
{netabare}最後に神楽に殺してもらえたのが唯一の救いでしょう。{/netabare}
でもこの作品、もう一人の主人公視点から見ても悲しい話なんですよね。
彼女に起こった出来事と言えば、
{netabare}・実母の死亡
・悪霊になった先生を友人の前で殺す
・実父の死亡
・最愛の黄泉と戦い、彼女を殺す{/netabare}
事実だけ書くと、何ともハードなストーリーw
作画に関してはバトルシーンが良く動いて格好良いです。
衣装がセーラー服、武器が日本刀というのもなかなかポイントが高い。
キャラデザもおそらく一般受けするタイプです。
またOPがとても有名な曲だったりします。
「Paradise Lost」で検索してみてね。
本作の最大の難点は{netabare}11話で武器を渡す人がマイケル師匠くらいしか残っていなかった点でしょうw
拍子抜けしましたw{/netabare}
疑問点としては{netabare}三途河が何だったのかということ。{/netabare}
加えて、{netabare}黄泉に対して「君だけ悲しい思いをしている」と言っていますが、黄泉が悪霊化したのは彼の行動が決定打になっているということ。
「お前のせいだろ」と言いたくなってしまう。{/netabare}
総括して、1クール作品では完成度の高い良作の部類に入ると思います。
物語の最初だけを見て判断しないでほしい作品ですね。
個人的には好きな作品で、お気に入りに入れてもいいくらい。
どうでもいいですが、OPの伏線についてご存知でしょうか?
{netabare}死亡する人物は羽根に触れています。{/netabare}
割と有名な話ではあります。