りゃむ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
しっぽを立てろ!
僕自身まだ生まれてないので作画やその他作品のクオリティに関しては販売された記録媒体でしか判断できないですが、放送当時1975年、今から40年近く前ですね。
背景の書き込み、キャラの動きそのどれもが40年前とすればかなりすごいと思います。
例えばしゃべるシーン。動かすのは口とその周辺だけでもアニメーションとしては完成するはずです。
しかしキャラのめがねなどのパーツも一緒に動いている・・・
これは口を動かすためだけにキャラ全体を1枚1枚書き直しているということです。
こういう丁寧な作りの上に成り立っているんですよね。
今のCGアニメーションに慣れ目の肥えてしまった一視聴者の僕でもストレスなく見れてしまうというのが本当にすごいと思います。
1975年といえばルパンvs人造人間よりもカリオストロよりもナウシカよりもガンダムよりも前ということになります。
そして劇場版などの単発、短編アニメを含めても年間20作品そこそこしか作られていなかった時代です。
こういう丁寧で細かい作りこみの技術、その一つ一つの積み重ねが現在の日本のアニメーション技術につながっていくんでしょうね。
最近の子供向けアニメというのはどちらかといえばゲームやホビーグッズにしやすい題材をとっている作品が多いように感じます。
つまりキャラクターのアイデンティティよりも扱うアイテムや変身、能力といった画としてわかりやすいものをキャラ付けとして重視し性格や個性といったものは二の次という感じではないでしょうか。
しかしこの作品のような冒険、仲間を題材にとった昔の作品は個性豊かなキャラ達に明確に~名人とか~の達人といったキャラ付けをして物語の展開の中でその役割をこなしていきます。
こういうキャラたちを見てシンパシーを感じ将来の夢だったりを描けていたのではないかなぁと思います。
今でいうワンピースがそれに近いのでしょうが、若干“大人向け”という需要が強いように感じます。
そして最近のワンピースは物語の展開が需要に合うようになってきてしまってますよね・・・
この作品のようなキャラの個性や役割への憧憬、興味の上にこそ“好きなこと”“やりたいこと”“興味のあること”を見つけられるのではないでしょうか。
それこそが本当のゆとり教育なんじゃないかなぁと感じます。
四角四面にみんなと同じことをやらされてきた子供に「好きなことをやっていいよ」と言われても答えは自ずと“遊び”に転ずるのは目に見えてますからね。
こういう意見合いでクオリティの高いアニメをぜひともまた作ってほしいかなぁとおもいます。