パセラン さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
四畳半は均一なる正方形
原作・小説/森見登美彦
■ あらすじ ■
舞台は京都市。京都大学に入学した「私」はバラ色のキャンパスライフを夢見るも、
実際は入ったサークル先でうまく身をこなせず、実り少ないまま2年が過ぎ3回生の生活を送っていた。
(もし、あの運命の時計台前で他のサークルを選んでいれば・・)
「私」がそう願った瞬間、時計台の針が回りだすー
誰しも考えたことのある「最初からやり直したい」という思いを
コメディタッチなパラレルワールドで描く青春物語である。
◆ 中心人物 ◆
私:主人公。プライドに阻まれ女性関係が進展できない、非活動的で社交性の低い地味な青年。
小津:「私」の宿敵にして盟友。妖怪のような風貌だが立ち回りがうまく、裏で暗躍している。
明石さん:「私」と小津の1つ下の後輩で理知的・クールな黒髪の乙女。蛾が唯一の弱点。
師匠/樋口:「私」と同じ下鴨幽水荘に住む仙人のような自由人。だが正体は大学8回生。
羽貫さん:美人だが酒癖の悪い歯科衛生士。樋口や城ケ崎とは旧知の仲であり、小津とも親しい。
城ケ崎:樋口の親友かつライバル。水も滴るいい男だがナルシストであり、極度の変態。
第一印象は すごいイロモノ! でしたw
「私」がひとり語りでしかも早口で送るナレーション、独特な作画や演出・・
きっとハマる方はハマるだろうし、受けつけない方は受けつけないだろうと思います。
個人的には文庫本の表紙やアジカンのジャケシャを多く飾り、
本作ではキャラクター原案を務めた中村祐介さんのファンなのでものすごくツボだったのですが ^^
やはり好みが分かれ、万人受けは難しい作品だと思いますね。
しかし絶賛されているだけあって、
もしかしたら入ったであろうサークルを中心に
愉快な登場人物を交えて大学生活をコミカルに描いている点や
京都を生かした和のテイスト・実写を組み合わせた背景などの個性的なセンスは
他の作品に類を見ないほど突出しているなあと感じました。
特に最終回へ向けての各話の伏線は素晴らしいです!
最終回を観て「あの時のあれはそういうことだったのか」
とスッキリすると同時にもう一度最初から観直したくなります。
そして伏線の多くを見落としていることに気が付きますw
私も観直してみたら、新しい発見がたくさんありました ^^
まあ最終回自体が最大の見どころなんですが、
10・11話で「サークルに入らず四畳半で過ごした自分」は
パラレルワールドに迷い込み、「もしも」の自分の面影に触れることで
”不毛と愚行に満ちた”と思っていた大学生活が
実は”楽しげで充実した”ものであったこと。
”出会わなければよかった悪友”と思っていた小津は
思い返せば”たった1人の親友”だったこと。
そして目の前にぶら下がっている「好機」を掴み、
明石さんに一目惚れしたことを認めればいつだって前に踏み出せたことに気が付きます。
そして価値観が反転した「私」は駆け出すー
小津のヒロイン具合には笑いましたが、感動必須のいいエンドでした。
ぜひ食わず嫌いせず、広く観てもらいたいスルメ作品です~
自分もまだかじりかけなので近く原作を読んでみようと思います、はい )^o^(