野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

3.8
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

悲しみの向こうへ(微調整）

性獣伊藤誠のワクワク学園生活青春物語。
全12話。

タイトルから学園恋愛ものを連想させるが実体は基本三角関係を中心とした色んな意味で穢れた話。
主人公伊藤誠は羨望の眼差しで見つめる視聴者もいる一方で大多数の視聴者から憎悪や嫌悪をぶつけられ後の世に名を残すほど出世した。

見所は、まず登場する美少女たちだろう。
Ｗヒロインと言ってもいいタイプの違う２人がメインでその脇を非常にうざ・・いや魅力的女性陣が固めてくれる。

繰り広げられる愛憎劇。ここが一番の見所。
思い起こせば自分の三角関係と言うか愛憎劇好きはこの作品から始まったような気がするほどこの部分は良く出来ていたと感じる。
まともな常識人が少なく、どいつもこいつも汚い部分を抱えてる点が愛憎劇にさらなる深みを与えてくれる。
只、基本的に人間の汚い部分を前面に押し出している作りになってたはずなんで視聴してる際の不快感、イライラは半端ないがそれはそれで物語に入り込んでいるという証拠でもある。
要するに結構、視聴者の興味を色んな意味で引く内容になってはいる。

では、難点はと言うとキャラに対する不快感しか無いだろう。
主人公を筆頭にヒロインズ＆その他のキャラたちも根っこは悪い人間じゃないとは言えあんまり積極的に関わりたいとも思えないキャラたちだとは思う。
話自体は12話と比較的短いものの、この中に結構色んなものが凝縮されてるため不快感に耐え切れず投げる人が出ても不思議はない。

ところでこの主人公。大層な嫌われっぷりで確かに見てる時は散々イライラさせられたものだが冷静に振り返ってみると同情の余地も無いことも無いような気はする。

まだ恋愛経験の無い普通の高校生てことを考慮すれば言動にもまぁ納得の行く部分もあったように思う。
そんな彼がこの手の話の主人公の特権で急にモテだしたなら、あのようになってしまうのも仕方ないと言えば仕方ないだろう。

まぁ、さすがに少し極端ではあるがそれは物語上仕方ない。そういう意味ではこの暴れん棒将軍も犠牲者なのかもしれない。

纏めるとドロドロした愛憎劇が見たいのであれば迷わずお勧め出来る。
不快感と闘いながらこの伊藤誠という男の生き様と結末を見届けて欲しい。なにかしら得るものがあるかもしれない。