こたろう さんの感想・評価
3.3
物語 : 4.0
作画 : 1.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
客寄せの前座
話題の「お風呂まんが」のアニメ化作。
アニメといっても10分ちょいのハーフサイズで、中身もフラッシュアニメです。
アニメ製作はTHE FROGMAN SHOWの蛙男商会。「秘密結社鷹の爪」の人ですね。ほとんどバストアップでキャラ自体は動かない絵を、人形劇風にユラユラと動かす手法で作られています。
同時期に阿部寛が主演で実写映画化されていて、興行収入は2012年で堂々の2位(58億円)、大ヒットしたと言っていいでしょう。
さてこのアニメ、ぶっちゃけてしまえば映画宣伝用のかませ犬。
(邪推ですが、そう断定しても問題ないと思います^^)
そう考えればカネのかからないフラッシュアニメにしたのも頷けますが、商売臭がイヤらしいなぁ。
そもそも、テルマエロマエの面白さって、クソマジメなローマ人の男が、いろいろなカルチャーショックを受けて狼狽したりする様が面白いのであって、こんな簡単な動かない作品に変質させている意味がわからない。
やるなら書き込みいっぱいでリアルな絵に、すっごい大仰に演出して、ギャップで笑いを取るのが常道の手段だと思うのですが。
原作漫画はそういう作品だし、実際、映画でもそのへんを意識した見せ方しています。
FROGMAN独特の味である、ちょっとしたお遊びがそこかしこ入れてあるけど、それも作品カラーに合わない。
なんでこんな作り方してるのでしょう?
好意的にみればノイタミナ枠の「実験的な試み」と言えなくもないですが、いろいろブチ壊しでした。
やっぱり映画がメイン、このアニメはオマケと考えるのが自然ですよねぇ。
お話自体は面白いので、原作&実写映画を知らない方なら楽しめるかもしれません。
ですが、このアニメは『テルマエロマエ』としては異質。
映画をご覧になった後に
「へー、こんなのもあったんだぁ」
ぐらいのノリで見ていただくのがちょうどいいと思います。