catcher さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ほろ苦い
『ほろ苦い青春群像劇』だそうだが、正にその通りだと思う。主人公の奉太郎は省エネをモットーとする無気力男子。ヒロインのえると出会うことで影響を受け、感化されていく。推理ものとしての作風を展開するが各キャラクターの心理描写が見事である。えると出会い自分のあり方に迷いを感じ始める奉太郎、自らの生まれを受け入れながらも一抹の寂しさを感じさせるえる、主役になれない自らに劣等感を感じる里志、一途に里志を思い続けるも中々報われない摩耶花、とメインキャラクターはほろ苦い一面をのぞかせる。
暗い感じにならず爽やかな印象が強いのは作画や演出の効果もあるが、推理の進め方により物語に起伏をつけている所が大きい。単調にならず、興味を引く推理を披露しほろ苦い心理描写をそっと添えることによって暗いイメージにならないよう作りこまれている。
最終回の終わり方もそうした思い通りにいかない青春を演出しており、綺麗な幕引きだったと思う。
原作はまだ続いているそうなので、OVAなどでも良いからもう1エピソード観たいと思う良作だ。