plum さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ガンダム、というよりアニメとして異質かもしれない
Z(1985-1986)に熱中し、ZZ(1986-1987)は途中で見なくなり、逆襲のシャア(1988)を最後にUC(2010-)までの間のガンダムシリーズは見ていない。本作も存在こそ知っていたものの、ガンダム自体への興味がなかったため、今の今まで見ていなかったのです。最近買った美樹本晴彦の画集に本作のキャラが載っていたのが切欠で、発売(1989)から24年経った今、初めて視聴。24年か・・・なんて思いながら見始めたけれど、これがなかなか面白かった。というか、切なかった・・・。
1年戦争が終結する1ヶ月前。主人公はモビルスーツに、そして戦争に憧れをいだいている11歳の少年アル。連邦にもジオンにも属さない中立コロニーサイド6で、ジオンの新米パイロットバーニィと、アルの隣のお姉さんで連邦のパイロットであるクリスによる、小さな小さな戦争の物語。一年戦争の死者・行方不明者は55億人らしい。ガンダムシリーズは兵士視点の物語だが、当然55億人の一人ひとりに物語はある。そんな小さな物語のひとつを描いた作品なのだと思う。これを見ると、アムロもカミーユも理由はどうあれ多くの兵士を殺したのだな、と思ってしまう。撃墜されたMSのパイロットにも、戦争に込められた想いがあり、家族が友人が恋人がいたはずだから。アニメとしては極めて異質かもしれない。もちろん、これを見て実際の戦争を感じるものではないけれど、こんな視点のロボットアニメ(と言っていいのか分からないが)もいいな、と思った。うん、見てよかった。
監督は高山文彦。他の関係した作品はというと、WXIII機動警察パトレイバー(総監督)、ラーゼフォン(脚本)、鉄腕バーディーDECODE(脚本)と好きな作品が多いことにビックリ。出渕裕関係かな?特に、ラーゼフォンで最も有名な「ブルーフレンド」の脚本が、この人なんだ。