入杵(イリキ) さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
大変よく纏められている
橋本紡「半分の月がのぼる空」(電撃文庫)を原作に製作された本作は、全6話という短い話数の中で物語を非常に上手く纏めており、大変好感である。また、病院が舞台なので、涙もろい展開を予想していたが、杞憂に終わり、リアルな恋愛を描いていた点も好感である。
あらすじ
{netabare}
肝炎を患って入院した戎崎裕一は、退屈な入院生活に耐えかねて夜な夜な病院を抜け出しては、看護師の谷崎亜希子に怒られる日々を送っていた。そんなある日、裕一は抜け出しの黙認と引き換えに、同じ病院に入院していた秋庭里香の話し相手になる取引を亜希子と結ぶ。二人の距離は少しずつ近づいてゆき、里香はほとんど誰にも見せなかった笑顔を裕一に見せるようになる。ある日、里香は自分が心臓の病気を患っておリ、もうすぐ死ぬ運命にあることを裕一に告げる。裕一は戸惑いながらも、自分が里香を意識し始めていることに気づく。
里香と二人で病院を脱走して訪れた"里香の思い出の地、砲台山"で、裕一は知る。里香は、もはや生きる希望を失っている事を。 そして里香もまた、知る事になる。裕一の想いを。その想いを知った時、里香は再び生きる希望を取り戻し始める―。
病院や高校、伊勢の町を舞台に、里香、亜希子、夏目といった、彼を取り巻く人々との関わりを含め、物語は進んでゆく。
{/netabare}
感想
設定や描写が非常に写実的で現実味を感じた。主人公やヒロインの心理描写も感情移入出来、良い作品だった。全てのキャラが一生懸命に何かと戦い、苦悩している。
人生の儚さ、諸行無常、大切な人への想いなど、様々なテーマが含まれている。
6話という短い枠の中でこれだけ完成度の高い作品を作り上げられるとは賞賛に値する。
総評
6話という短い話数の中に、纏められた深遠なストーリーが好感。興味のある方は是非ご視聴頂きたい。