退会済のユーザー さんの感想・評価

4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

見た目とは裏腹に

見た目とは裏腹に恐ろしくも面白いアニメ．

序盤は絵が苦手だなと思いながらも淡々と観ていたのですが，キュウベイがさやかにまどかはすごいから君はまだまだと，けしかけるシーンでキュウベイのことを不審に思い始めました．

話が進むにつれてキュウベイの中身が真っ黒とわかり唖然としながらもストーリーは引き込まれるものがありました．

最初から正義と悪というのが存在するのではなく，正義からでた悪というのが正義に駆逐され，またその正義から悪が生まれるというサイクルがすごいと思った．インキュベーターは最悪の敵だが良く考えている．

追加

魔法少女まどかマギカを見終わった．絵柄とは引換に残酷なストーリーである．というよりも絵柄がかわいいせいで残酷さが増している．3話以降から物語の雰囲気が変わる．言えるのは命と引換になる願いなど存在しないということ．キュウベイがマスコットのように可愛いのとは裏腹に悪魔である．あれでは新興宗教の勧誘と変わらない．これは何かおかしいと思ったのはキュウベイがさやかにまどかには才能があると話をするところだった．この話はまどかには意味があるがさやかには追い詰める話である．つまりフェアではない．明らかににまどかを引き込むための餌としてさやかを誘導している．このキュウベイというキャラクターが作る世界はガンツに似ている．

魔法少女が魔女になるという繰り返しの連鎖に納得がいった．つまりこれはエンドレスな戦いであり，釣り合わない契約であると．この契約が釣り合わない理由としてはミイラ取りがミイラになることである．正義の味方になりたいとして魔法少女になったさやかは自身の呪いによって敵である魔女になってしまう．この連鎖で得をするのはキュウベイだけである．少女の希望から絶望への位置エネルギーの変化によって膨大なエネルギーを得るという理屈から言うと最も効率のいい手段なのかもしれない．彼女らの願いを一つ叶えることによって希望という高さに上げ，最後に八方塞がりの状況を作り，最大の絶望からエネルギーを得る．事実を余り知らせないというのも騙されたという絶望状態を作るためだろう．そうするとキュウベイが魔法少女を選ぶ基準はいかに深い絶望的感情を生み出せるかとういうことか．ならば逆でもいいのではないか．つまり絶望的状況の人間を見つけ，希望を与える．感情の落差がエネルギーとなっている．感情の落差が生じにくい人間は魔法少女になりにくいのではないか？

魂を宝石に変換し，体を義体化するというのは確かに戦闘においては最も効率が良い．攻殻機動隊もある意味この理屈だ．キュウベイたちは肉体には余り価値がないと思っている．つまりエネルギーを出すのは魂だけなのでそれだけあればよい．キュウベイが汚れた宝石を回収しているのはそれがエネルギーであるからか．とするとキュウベイたちは人間の不の感情からしかエネルギーを得られていない．あるいは不のエネルギーからしか自分たちに有用なエネルギーを得られない．不のエネルギーを定着させるためには清浄な魂が必要である．まるで白い紙に墨汁を染み込ましていく作業．だから少女である必要がある．少年ではなぜだめなのであろう．少女の方が恋愛について熱心である．恋愛というのは魂のエネルギーが最も発揮される状態なので少年ではなく少女の方が効率が良いのでは．

魔法少女になったが戦わない者が出てきてもおかしくない．