退会済のユーザー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
勇者様と魔王様
勇者と魔王が仲良くなってしまったらどうなるか.
アニメしか観てないのですが,着想が面白い.しかも勇者よりも魔王の方が現実をしっかり把握していて方向性を持っている.
舞台はファンタジーなのだけれどキャラクターの思考回路が現代的.そこが面白い.
この監督がやりたかったのは、9話「わたしは”人間”だからっ」だと思う。
農奴だったメイド姉が、紅の学士の影武者として、教会に捕まる役を引き受ける。
勇者が必ず助けに来るという状況にも関わらず、リスクを冒して集まった冬の国の民に語りかける。
自身の生い立ちと、そこから救ってくれた暖かい運命の話を。
それを踏まえて、農奴という引け目があっても人間であると言い切らねばならないと呼びかける。
考えることをやめてはならないと。楽な道を進むためにより良き者になるチャンスを手放してはならないと。
メイドに教わった自分でものを考えない、判断しない人間は虫であり、軽蔑すると宣言をする。その演説によって民と国王と修道会の心を動かし、教会を退けてしまう。
オンエア時は気づかなかったのだが、メイド姉の声は、戸松遥だったのだなと。能天気な役のイメージが強かっただけに、こういう芝居もできるんだな、凄いなと感じた。