たつじん さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
現実と幻想のコントラスト
タイトルからホラー物だと思い観はじめたのですが、全く怖さを感じなくてどちらかと言うと民話を思わすような作風ですね。
物語は主人公「古森太郎(こもりたろう)」が、 11年前に体験した誘拐事件がもとPTSD症状でカウセリングを受けており、その事件に隠された謎を迫っていくかたちで流れていきますが、謎を解き明かすことがこの作品の見どころではありません。
「現世」と「幽世」が奇妙に調和している山間の水天町で、3人の中学生が幽体離脱なる不思議な体験をしながら、それぞれのトラウマと向き合ってそれを克服していく物語です。
キャラデザは「地獄少女」を手掛けた岡真里子さんがされており、少女の丸い瞳や乱れ髪の描き方にとても特徴があります。
ストーリーこそ違えど、どこかしこに「地獄少女」の雰囲気が漂っていました。
特に幽体がその身に憑依してしまう小学生「駒玖珠 都(こまぐすみやこ)」が「閻魔あい」とかぶって見えてしまったのは、私だけでしょうか・・・?
台詞は九州北部の方言が使われているので、最初はなじみにくかったですが、観ているうちにその素朴でほのぼのとした感じが、この作品の不思議な感じにはマッチしているように思えました。
幽体離脱で幻想的なシーンがある一方で、その非現実的な現象を脳科学や心理学的に考証・解説されていたりもしています。
ただ個人的は非現実的なこと、すべてに理屈がつけられるとは思ってませんので・・・
こんな現実があるやもしれません。
ストーリー展開は非常に遅くて、観ていて少しイライラするかもしれませんが、独特の世界観を味わうにはこのスピードがいいのかも・・・。
はまる人は、はまってしまう・・・そんな作品でした。