りゃむ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
長編ファンタジーとしては随一
原作は喫茶店や立ち読みなどでちらほら・・・
設定は第1期全視聴で知っていた。
そういう状態で視聴しました。
まず最初に・・・アニメオリジナルストーリーが原作ストーリーを超えるのは並大抵ではないと思います。
この作品ももれなく原作ストーリーをなぞった2期のほうがおもしろいと思います。←あくまで個人的意見です。
さて、アニメーション制作会社と聞いてある程度思いつく中で“作画”という観点から選ぶとすればナンバーワンはボンズだと考えています。
そしてこのハガレン2期はそのボンズ製作でした。
そこで何より評価したいのが特に中盤から後半物語が佳境になるにつれて多くなるバトルシーン。
この部分の作画です。画面自体に映像効果(フェードや光、静止画の連続スクロールなど)でバトルシーンの派手さを出してスピード感や緊迫感をごまかすといった手法はよく見受けられるのですが、このハガレンではそういったごまかしをほとんど感じることなく(よく見れば使ってるんですがねw)キャラの一挙手一投足がスピード感の中に見て取れました。
こういう丁寧かつ職人芸のような作画を実現できた作品はおれ自身数えるほどしか見たことがありません。昨今CGアニメーションが主流になってからは特に・・・(そういう意味でFATE/ZEROはすごかったw)
つぎにストーリーなのですが、これはまぁ原作がすごいという話になってしまうので脚本にスポットを当てたいと思います。
全64話と少々長いですので脚本自体は4人が担当していたようですが、シリーズ構成の大野木寛さん・・・流石というか、ストーリー展開の間の取り方やセリフのタイミングに職人芸を感じます。
テンポは失わないのに雑にならない・・・64話もあるのに中だるみしませんし、説明されるべきところはしっかりされている。
64話一気見だってできちゃうような構成はすごいと思います。
個人的にやや残念だったのが1期で描かれた部分の内容をかなり駆け足で進めていた点です。第2期が初ハガレンの人だと薄く感じちゃうかも・・・
{netabare}
リオールの話やタッカーのキメラの話、ラッシュバレーの話、ヨキの炭鉱の話、ヒューズが死ぬまであたりは放送回数増やしてでももう少しじっくりやってほしかった。
{/netabare}
作品自体についてもこういう作風にありがちな主人公のワンマンストーリー展開になっておらず、各キャラたちの意思、決断のバックグラウンドが描かれていて、この多くの数の全てのキャラが魅力的に描けているのは脱帽の一言です。
これは女性作家ならではなのでしょうかね。
意味のある悲壮展開、わくわくするする逆転劇、随所にみられる選りすぐりの胸熱名言たち。
ファンタジーアドベンチャーものとしてここまで完成された作品はそう多くないと思います。