catcher さんの感想・評価

3.9
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態：観終わった

鬱のみ

この物語は終始暗い。最初の２話は他の魔法少女作品と大差ない雰囲気を醸し出している。３話以降に話が急変しEDも鬱展開な雰囲気のものへと変わる。
どんなに鬱展開でも作中で主人公が死中に活を見出す、ここまでたどり着けば現状を打開できるという希望あるものだ。
しかしながらこの作品にはそれがない。完全な弱いもの苛めになっている。

以下、ネタバレ～主要キャラ考察

①まどか
最終話ラストまでじわじわと追い詰められていく展開が続いている。最終的にまどかが選択した手段は苦しい。
これまで勇敢に戦ってきた主人公が世界のために命を投げるなら理解できる。それがアニメの英雄だろう。
しかしながらまどかは目の前の現実を受け止めきることもできない女子中学生である。そんな子が「私は世界と一つになるの」ってそんな悟るか？自分が消えることで悲しむ人間もいるということを理解していない子供の発想である。そういうのは物語中盤で乗り越えておいてほしいものだ。
実際、本作でまどかが乗り越えた障害など一つも無い。これにより作品が『平淡な鬱』となっている。物語に盛り上がりは無く常に暗い。


②ほむら
まどかのために奔走し、何度もループを繰り返したほむらには何が残ったのだろう。その思いや行動は完全に茶番と化している。物語最後の彼女の描写とまどかの母の描写がこの作品を一層暗いものとしている。せめてこの子には幸せな結末を用意して欲しかった。

③さやか
程度の低い意地を張り続けた結果自滅した単なるバカ。何故そこそこ人気あるのかそれすらも疑問。杏子の引き立て役という面でしか役に立っていない。
上条の件は可哀想だと思うが悲劇としては実に陳腐なもの。そんなもので意地を張り続け、すでに同類であるほむらや杏子の忠告も聞かず無駄な戦闘を繰り返す。あまつさえ味方に牙をむきそのまま消えていくというアホっぷり。この子はきゅうべえの思い通りに動く典型的雑魚で感情移入すら出来ませんでした。ただ暗い展開を助長しただけ。


④杏子
頑張りましたね。自分と同類であり性格は正反対のさやかを気に掛け、全てが間違っているさやかの為に命をかけ、報われずに心中。悲劇のダークヒーローとしては中々です。


総括
弱すぎる主人公まどかとバカ女さやかの視点から物語を展開しているため、常に暗い展開なのも頷けます。ほむら視点ならもっといい作品だったかもしれません。

最後になりますが私はこの作品好きです。一見の価値は十分にあると思います。ただ話が平淡過ぎた件について苦言を呈したかったわけです。