退会済のユーザー さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
胸にぽっかりと空いた穴を埋める物
湯浅監督作品の中でも最も内容を飲み込みやすかったが、同時に見ていて最も苦しくもなった。それだけ本作はかなり重い。悲しい涙が流れるぐらいに。独特の映像表現は素晴らしいと思う反面、どうしようもなく気持ち悪くえげつない。
手塚作品の救いようも無さと言ったら結構なもんですが、本作もなんとかハッピーエンドにしているというもので、ラストに辿りに着くまでが非常にしんどい。
最近ノロウイルスにかかったんだけど吐いて吐いて吐きまくってやっと楽になれる、まぁまさにそんな作品だった(笑)いや例えが酷すぎるのは分かってはいるけど(笑)
いくつもの伏線が終盤に一気繋がっていくまで、色々と咀嚼しながら見続ける必要があるし、一回見ただけではなかなか細部に関して理解は困難であろうと思う。しかし攻殻ファンであるならば、ある程度はすんなり理解できる設定ではあるし、謎が多い事を含めて極めて真っ当なSFでもある。
肉体と精神(記憶)にまつわる話自体は正直あんまり目新しさもないし、見ていて楽しいとかそういうことは皆無だったが、ワンクールの中で緻密に練られたドラマとして素晴らしいものがあった。
一度二度三度と繰り返し見る事で価値が上がっていく作品かもしれない。が、あんまり見たいとは思わない(笑)