ぱるうらら さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
十分楽しめるレベルの群像劇かと
『伝説の勇者の伝説』はラノベ原作、2クール(全24話)の魔法・ファンタジーアニメです。
勇者っぽく無い勇者が登場するプロローグに始まり、突然物語背景及び設定が説明される事なく「聖遺物がどうとか~」といって変な怪物から遁走する様な物語が進行する第1話(今作)に対する第一印象はあまり良くなかった。それは最初に伏線を張って、この作品の世界観や目的を回想の形で説明する物語の構成上仕方の無い事であったが、掴みは失敗?
しかし2話~3話、4話、5話・・・とその後は調子を取り戻していた。特に第4話の『ライナレポート』は主人公の性格が話にマッチしていてかなり楽しめた。それは感動的なモノとはまた別で、主人公の気質が見られたりしてようやく第1話と繫がって物語が動き出すに当たっての高揚感が感じらた回。
その後は大きな進展無くライナとフェリスの漫才チックな会話でちょっとした笑いをとりながら、再び第10話で物語が動き出し、そしてこの作品の暗い部分が段々と現れ各話のシリアスさが増し、物語の視点も大きく3つに分かれる事となった。1つは特殊な能力を持つライナの視点、二つ目は自身の理想に葛藤するシオンの視点、3つ目はあらゆる勢力が各々の理念を持って交差する世界の視点。後半部から第24話までにそれらを上手く平行させて物語を進展させ、またそれに伴った登場人物の心情をありありと表現されていたために、ある程度の感情移入も出来て難無く視聴し楽しめた。
この作品の良い点は前後半に分かれているOP・EDテーマ曲。どちらもなかなかの良曲。特に第2クールからのOP『Last Inferno』は後半部のシリアスさを描き、曲としてもシリアスさを表現していて作品としてもその時点の物語の展開としてもとてもマッチしていた。
これから物語が最も動き出すであろうと言う所で終わってしまっている為、皆が口を揃えて続編を希望するのも理解出来た。視聴し終えた私も今ではそう思う。
何故この作品をチョイスして観たのかと言えば『まおゆう 魔王勇者』の影響。