ツキ さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
月月火水木金金
一言で言えば「不謹慎ではあるけど不愉快ではないアニメ」でした。
とりあえず戦車の取り扱い方がものごっつ不謹慎でしたね。{netabare}戦車道なら単位取得に優位だとか学校存続のために戦車道が必要だとか。{/netabare}まあ鉄砲を擬人化したアニメだったり人殺しの悪者が主人公のアニメがある訳だから細かいこと言ってんなって話ですけど、やっぱり戦車っていうのは戦争の道具であり人殺しの兵器です。その事実をひん曲げてるのも疑問だし、弓や銃のように競技として確立されたものでもありません。女子高生がキャピキャピしながら「まじ戦車~♪」とか言ってちゃいけないと思うんです。
戦車乗りになるための厳しい訓練や葛藤がある訳でもなくしれっと戦車に乗ってサクサク役割決めてバンバン実弾放って。100歩譲って自衛隊や軍隊のように有事に備えるわけではないから苦しい訓練の描写がないのは分かりますが、部活モノとして見れば努力する過程があっても良かったかと思います。
この辺りが難しいですね。視聴者が見たいのはそんな泥臭い描写ではなく本編のようなテンポの良い展開と戦車の迫力を遺憾なく発揮した試合展開です。ドラゴンボールのように前回までのあらすじで半分使ったり気を溜めてる間に10分経ったりっていう引き延ばしもなく魅せるべきものを見せてくれました。これが不愉快ではない要因です。
乗組員視点のリアルな視点や砲撃の音声、緻密とは言えないが戦略に乗っ取った試合展開など引き込ませ方は十分です。BGMも効果的に使用され、作り手の見せたいものと視聴者側の見たいものが合致してると思います。
ですが、こういったある程度真面目に戦車と向き合ったつくりで終われば良かったものの、理解不能なことに戦車によって深まった友情だとか戦車道を廻った家族間の問題だとか陳腐な設定を入れやがったせいで戦車そのものが陳腐設定の踏み台になっちゃいました。そんなん入れるぐらいなら風呂シーンだのあんこう踊りだのを削ってやはりちゃんと訓練して欲しかった。萌え萌えすんのはキャラデザだけで十分です。結局作品からは戦車に対する敬意みたいなものが全部吹き飛びました。
○○産の○○年式の○○みたいな戦車の説明も最終的にはミリオタ受けを狙ったものとして写ったし、戦車×女子高生の設定も斬新さ狙いの実に日本人らしい平和ボケした短絡的な設定です。
厳しい訓練や規則もなければ階級も存在しない。だけど戦車には乗ってる。でも人殺しの道具ではない。だけど実弾は装備してる。…書き起こしてみるとはちゃめちゃな設定ですねw アニメとして割り切れるなら楽しめますが、少なくとも世界に発信するにはちょっと恥ずかしいアニメなんでやめてもらいたいと思います。