いつも初心者 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
コントラストがよかった
物語について
タイトルから、とても深そうな内容をイメージしてしまいます。
テーマは速さ。そして時間や距離でしょうか。
作中のいろいろなシーンで伏線が埋め込まれています。
作画について
とても細かくリアリティーがあります。
全体的にコントラストが強めなのが印象的です。色のコントラストもそうですが動きのコントラストも。
人工物などは、電車などの動きがあるものでもとても静的に、海岸の波や風になびく草花などの描写はとてもダイナミックに描かれています。
声優について
キャラのイメージに合った無難なキャスティングだと思います。
ただ、時間スケールの長いアニメでありがちな、幼少期と青年期の声優交代が、男性キャラではなく女性キャラの「篠原明里」役だったことが以外でした。経過した時間の感覚をより強めるための演出なのでしょうか。
音楽について
第3部のほぼ半分くらいを占めていた、山崎まさよしさんの「One more time, One more chance」がこの作品のすべてを物語っているようでした。
キャラについて
二人の女性が対照的だったのが印象的でした。
{netabare}「篠原明里」は病弱な女の子で作中でも最初はほとんど手紙などの語りのみ。でもキスまでする大胆さを見せています。
対する「澄田花苗」はサーフィンをする活発な女の子なのに、好きな相手になかなか告白出来ないもどかしさも見せてます。{/netabare}
総評
最初に書いたテーマは速さ、時間、距離。でも、色々考えていたら「対比」や「対照」という違った見方もこの作品には隠れている気がしました。
「明」と「暗」、「過去」と「未来」、「静」と「動」、「遠」と「近」。
そしてそれらの尺度となるものが速さや、時間、距離。
時間や距離を経過して、たどり着いた先が「明」なのか「暗」なのか。明るい「未来」なのか「過去」を懐かしむのか。人生の縮図みたいな感じです。
作品は、主人公の各年代ごとのとても「短い」断片的なストーリですが、その間の「長い」時間経過が物語のスケールを大きく、そして深くしていました。
作中に出てきたカンブリア紀の話や宇宙探査機の話も、ある意味、尺度のコントラストを強めるための演出か伏線なのでは?なんて思ったりもしましたが。
{netabare}大雪で電車が止まり、もどかしい思いまでして出会っていた二人が、互いに違う時間を歩み、たどり着いた先は「明」と「暗」。
そして二人を分けるように電車がスピードを上げて走り抜ける。{/netabare}
最後まで対比の入った描写が印象的でした。