「四畳半神話大系(TVアニメ動画)」

総合得点
88.7
感想・評価
2935
棚に入れた
13601
ランキング
101
★★★★☆ 4.0 (2935)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

TY さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

唯一の世界観、一人称青春(妄想w)活劇!!

なんともレビューの難しい、点数のつけづらい作品だ。


きっと好きという人と同じくらい嫌いな人がいるんでは?と思う。


この作品の特徴を上げると主人公『私』が一人称スタイルで
ストーリーを進める点で、しゃべくりまくるスタイルなので言葉の情報量がハンパない。

己の中の葛藤や妄想を16分音符で息の続く限り敷き詰め、一瞬の
ブレスでさらに畳み掛けるかのようなw

例えるならば昔のマンガで『東大物語』の村上君状態の妄想力で
(村上のように変態の一線は越えないがw)ハルヒのキョンを
クロックアップしたかのようなw


次にシンプルなデザインのキャラと比較して、あの手この手で
凝らされた背景画の情報量がまたハンパないw

通常はヴィンテージ感のある淡色系やモノトーンで線の少ない
キモかわいい背景なんだけど、ウニョっと歪んだパースだったり
話の展開やキャラの心情によってエフェクトを施された写真の
コラージュが覆い尽くしたりと慣れるまではムスカのように目を
やられそうになりながらw堪えた。

『化物語』を斬新かつキャッチーと形容するなら、こちらは
先鋭的でドープといった感じかなと。

しかし人の順応力とは大したもので3話も見るとちゃんと慣れて
くるもんです。

そして慣れてきた頃にこの作品がただもんじゃない事に気付く。

アドバイスとしては。。。疲れているときには見ちゃいけないw

これに尽きます。



次に舞台について。

京都ローカルな鴨川や木屋町通、三条大橋など、ならではな景観に古びたアパート、屋台ラーメン、大衆居酒屋なんかのシーンが
タイトル通りにいなたい大学生活を演出してて良い感じ♪


では、ざっくりと入りの流れをば。

大学三回生の主人公『私』が華のキャンパスライフを妄想し、
挙げ句に妙ちくりんな自由人w樋口師匠やその弟子にして悪友の
小津に振り回されつつ、クール乙女の赤石さんにお近づき願い
たいが、やはりうまくいかずもう一回ピカピカの新入生から
やり直したいっ!!

と渇望するところから始まる。

ぶっちゃけてしまうと
{netabare}
一話に一回やり直すという並行世界もの。
自分は見ていてハルヒのエンドレスエイトを見た時の寒気が
襲ってきたが少しご安心を。
ハルヒでは細かな差異を楽しむ趣向だったが、こちらは大幅に
やり直しをするので毎回カオティックな展開が待っている。
{/netabare}


そして登場人物がこの世界観に相応しい強キャラ揃いです。

作風のアクが強いのでどこかで飽きが来そうなだなぁと思った
けど強キャラ達があらゆるシチュエーションで見事な芸風で
楽しませてくれる。

{netabare}
・樋口師匠
八回生ならではの風格で『私』を導く(惑わす?)仙人のような
お方。時には良い事を言う。ごくたまにものすごく良い事を言う。

・小津
悪友というか結果だけを見ると最大の敵か?『私』が華キャン
ライフをやり直す度に必ず同じサークルに出現し、その度に
『私』を煽動して悪事に誘い込み破綻させるw
『私』とは運命の黒い糸で結ばれた運命共同体らしい。
確かにヒロイン以上に『私』にべったりw
小悪党のようでその実、巨悪の根源のような男。
暗躍し過ぎw

・赤石さん
ヒロインにして『私』がお近づきになりたい黒髪クールな女の子。古風なしゃべり口調。ハッキリし過ぎな物言いいで時に相手を
固まらせる。嫌いな物は蛾、好きな物はもちぐまと呼ばれる
ゆるかわキャラで迷える『私』の道しるべになる。
{/netabare}
それ以外にも『えっ!?』っていうキャラが目白押しだけど、
ここら辺で。


長々と書いたけど最後に。

原作者である森見登美彦さん曰く、この作品はくされ大学生の
ちんまい話だそうであるw

確かにストーリーの90%は『私』の非生産的な生き方が占めて
いるけど、そこに学生生活のおもしろさが詰まってるのかなと。

自分も学生時代は興味の湧いた物には手当たり次第に手を出し、
時には引き蘢ってみたりwしてた。

そして、3年生あたりにはもう一度新入生から!とか思ってたw

なので、くされ学生だった時分を懐かしく感じられたり、こそばゆかったり『私』の駄目っぷりに共感出来る部分が多かった。

そして、その頃の非生産的な活動が今になって人生の楽しみに
深く影響してるんだなぁと思う。


『私』が妄想の果てに行き着いた境地。

そこでの台詞。

{netabare}
『不毛と思われた日常はなんと豊穣な世界だったのか。
ありもしないものばかり夢見て自分の足元さえ見てなかったのだ。
これは私が選んだ人生。私が望んだ結果である』
{/netabare}

まさかの最後に感動で思わず涙したったw

投稿 : 2013/02/13
閲覧 : 245
サンキュー:

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