みかみ(みみかき) さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
映像史との戯れ、その極北
一話ごとにほぼすべてが何かの元ネタのパロディであることを堂々と歌い上げつつつくってある作品…。ただし、パロディとはいっても、「これはゾンビですか」等と違ってネタ元がいささか古い。
むろん、GAINAX作品というのは、DAICON FILMのときから、ずーっと、そういうものだったわけだけれども、この作品ではネタの敷居がどんどんと映像教養(映画含む)の高さを前提とする視聴者むけにもなっている。かつそうしたもののパロディであることを堂々と示す。(そうでない鑑賞も、可能ではあると思うが)
エヴァにせよ、グレンラガンにせよ、トップをねらえ!にせよ、なんでも、そうだけれども、ガイナックスの作品というのは、とにかく、過去の歴史との戯れにおいて成り立っているところが本当に大きい。このひとたちは、ほんとにオタクなんだな、としみじみ感じる。
おそらく世代的には、1960年代生~70年ぐらいの第一世代~第二世代オタクが中核なので、わたし(1980生、第三世代オタク)にとっては、若干、年の差を感じるというか、文脈においつけないところがある。
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現在的な感覚でいえば、ニコ動でいうところの「プロの犯行」タグがつけられるようなタイプの動画にみられるような欲望に酷似した何かを感じるのだが、映像教養がそこまで高くない数多くの(わたしを含む)視聴者にとっては、本作の欲望がどこまで共有できるのか、どうかというのは謎。
本作が、パロディとして活き活きと受容されるためには、もう少し教養を要請しないものからのパロディを軸にして構成したほうが、ある意味もっと無難に受け入れられるものに仕上がったとは思う。その元ネタの選択自体をどう評価するかによって本作の評価はわかれるのではないだろうか。(他にも評価がわかれるポイントはたくさんあるとおもうけど)