みかみ(みみかき) さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
一話だけで良い
よくもまあ、ここまで露骨なリミックス作品(ナウシカとか…)をよく作ったなー、と。もはやここまで真剣にやられると、潔いものを感じもする。
そして、このリミックスが極めて高度な映像表現として成立しえていること。それは本当にものすごいことだとおもう。
ちなみに、作品にとっての「オリジナリティ」というのが必ずしも必要だ、とはわたしは思わない人間ではある。「オリジナリティ」こそを作品の価値、だなどということがまっとうな議論だと思うことは、大きな思い違いだとは思っている。だからといって、オリジナリティの価値を否定しようとも思わない。
しかし、まあ、結局のところはパクった上で、その上にどういうバランスで何を構築したか、ということ。そのことが最終的には問題。
結論から言うと、最初数話の映像表現のクオリティ意外には、見るべきところがなかった。
後半のシナリオはあまりにも雑すぎて閉口。登場人物の感情描写の速度が、あまりに唐突で足らない印象。言って伝わるかどうかはわからないけれど、プレイステーション以後のFFシリーズぐらいの、心理描写のだめさ加減に通じるものがある。
現実味のある表現と、現実味のない水準の表現の、基準となる線引きがあまりにもブレが大きい。別に現実味のないファンタジーを描いてくれてもかまわないし、現実味あふれる心の動きをする登場人物たちを描いてくれてもかまわないけれども、どこらへんの基準点があるのかはっきりしないのはやめてほしい。リアリティのラインが統一されているか、あるいは、統一されていないならいないならいないでリアリティのモードに変化があることを明示的であれ暗示的であれ、きちんと伝えるようにしてほしい。これができるのとできないのとでは大違いである。
オーディエンスとしてどういう程度の期待をこめてみればいいのかを迷う。
*
追記:
監督の宮地 昌幸さんは、1976年生まれでジブリ出身なのか!ジブリ出身の人が、露骨にジブリをやる、というのは、それはそれで…いい…のか?
脚本担当は、清水恵、野村祐一、大野木寛と三人いるらしいが、後半の、わたしが、「えっ!」となってしまったシナリオは主に野村氏の担当のようなので、彼の責任は大きいだろう。忙しかったとか、そういう理由もあるのかもしれないが、しかし…