「俺の妹がこんなに可愛いわけがない(TVアニメ動画)」

総合得点
88.3
感想・評価
8294
棚に入れた
34360
ランキング
119
★★★★☆ 4.0 (8294)
物語
3.9
作画
4.0
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.1

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みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ある意味で、現実的な欲望

まず、この作品は、コメディとして非常によくできている。面白い。特に序盤はよくできている。



 で、できる妹が実はエロゲ好きのオタである、というのは本作の表面上の設定としては、「どうしようもない妹www」ということになっている。
 ……が、そんなわけないではないか。
 理想の妹が、リア充だったりスイーツ(笑)であって、オタクを蔑視してくるよりも、本人自身もオタクで、オタクとしてのアイデンティティをかかえながら、一緒にオタクをしてくれたほうが、確実に現実的な「彼女」の候補になるだろう。そこのところの欲望を、あえて、前面にだしては肯定せずに、「どうしようもない妹」として、否定的に書き出すというあたりが、なんともいえぬ恥じらいすら感じる。

 ラピュタの「シータ」的なヒロインとか、別にあんなものが現実に存在するだなんて、誰も思ってないし、現実に存在したとして付き合いやすそうでもないんだから、こっちのほうが、「夢を見すぎていない俺」の、妙に中途半端に現実的な欲望、だろう、と思う。だからこそ、この作品をみるのは、なんともいえず、気恥ずかしいものを感じる。そこまでストレートにバカではない人間が、必死に虚勢をはりつつ、けっきょく欲望を仄見えさせてしまっているような。

 後半は、コメディというよりも、そうしたかわいらしい虚勢をはった欲望を、あまりに素直に出しすぎていく感じがあらわで、見ていていささか厳しい気分になった。ちょっと、おまえらもちつけ…と。



 そもそも「ツンデレ」というジャンル自体が、現実とフィクションとの妥協のすえに、フィクションを夢見続けるための、よくできた装置だったと、わたしはおもっている。現実の女は、結局、扱いずらいんだよ、結局。どう考えても。
 なんだから、扱いやすい理想の女性、みたいなものだけをフィクションのなかに登場せておくのは、さすがにいろんな意味でよくないよね、というのもあり、生まれてきたということが「ツンデレ」発展の、ひとつの要因だろう。

 そういう路線からすると、ある意味で、本作は究極的だと思う。現実との一定の妥協をつけつつ、ファンタジーを欲望するという、ことにおいては、本作は非常にわけのわからん何かになっている。

投稿 : 2011/08/16
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サンキュー:

17

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