退会済のユーザー さんの感想・評価
3.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
ディストピア物詰め合わせ
改めて見直したので軽く感想を。
THX1138+ブレードランナー+ガタカ等のティストピア物の名作を詰め合わせたクライムサスペンス。
シヴィラというシステムにより人間の潜在的な能力を数値化し
効率的に人々を適材適所にあてがう社会。
そこではサイコパスと言う潜在犯罪度数に因り犯罪を未然に防ぎ
人々を秩序立てていた。
そんな完全合理的な社会での公安警察、そしてその社会に対峙する犯罪者の物語を描く作品です。
まず脚本に関してはアニメの作品の中では文句のない出来だと思います。
填島という殺人者の正体を追うという一本筋の通ったサスペンスがあり
その周辺に集う殺人鬼逹の話の各センテンスも小気味よい
最後までダレル事無く観られるストーリー展開。
キャラクターデザイン、演出に関して少々難あり。
キャラクターは昨今のアニメ全般に言える事ですが
メインキャラが全員美男美女揃い、そして常森茜に関していえば
この幼い女子が警察官、、、?
見た目を重視するアニメファンへの対策
そして、物語が進行して行く中で彼女の成長していく様をより際立たせる
内面の強さとのギャップ、で有る事は解ります、、、
が問題はバランスなのです。
最終回に見せた彼女のチェイスシーンでは
この見た目もやし少女が、トラックの後ろに片手で掴まり
そして片手で回転式の銃を撃ち、それでもトラックに振り落とされず
しかもスカート姿で!
私は疑ってしまいました、、、この娘もしかして全身義体???(続編でそういう展開になってたら面白いですが)
填島聖護というキャラクターも色白細面の美青年が
総合格闘技をバリバリ熟す狡噛慎也に肉薄するとはどういう事でしょう?
彼もまた義体か???と思いましたが傷から出血してたので違うでしょう。
兎に角折角の脚本の良さがこのキャラクターデザインにより潰されてしまっている印象があります。
惡の華が原作のキャラクターデザインを踏襲せずリアリティ路線を行き
視聴者にソッポを向かれてしまった現実を考えると仕方のない事なのかもしれませんが、残念!の一言です。
演出面で言えば、これはアニメその物の問題なのかもしれませんが
余計なセリフが多い。
特に填島聖護のインテリワード続出な掛け合いシーンの数々は
これ本当にストーリーに必要なのか?と首を捻りたくなる部分も
実写のドラマと違いキャラクターの表情や行動でその意図を観ている
側に読み取らせる事が難しく、彼のパーソナリティや行動規範、動機
等を伝える為に必要だと考えたのかもしれません。
だがもう少し視聴者に考えさせる様なスマート描き方(セリフ以外の)
をしてくれた方が填島と言うキャラに深みを持たせる事が出来て良かったのではと思います。
後はこのストーリーであれば3~4クール程使って
キャラクター逹のバックボーンを深く掘り下げて欲しかった。
編成上中々出来る事ではないでしょうが。
以上のように少なからず突っ込み処がある作品ではありますが
観て損はしないでしょう。
プロダクションI.G製作という事もあり、画作り、アクション演出は
現在のアニメ中でもトップクラス。