nani-kore さんの感想・評価

4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

文句なしの良作、ですが。。

美しい作画、誰もが安心して観れる完成度の高いストーリーは、まさにエヌエッチケー。
だがしかし、同じＮＨＫの傑作アニメ「十二国記」と比較してみると、大きな感動も、次が気になってしょうがないワクワク感も、さほど得られなかったのが正直なところだ。
作画と物語の完成度は、本作の方が文句なしに高いのに。。

なぜだろう？
スパイスがかかっていない料理の様に、刺激がないとゆーか、心を躍らせる何かが足りない。
よく出来ているし、決して美味しくないわけではないのだ。
ただ、ラーメンやスパゲッティにはスパイスが必須という、私のような視聴者には、何だかまったりし過ぎるのである。
刺激の強すぎる作品は嫌い、という視聴者には、ぴったりと好みに合うだろうなとも思う。

ＮＨＫの朝ドラ、好きですか？老親が観ているので、何となく付き合いで観るけれど、正直自分にとって、そんなに面白いものではない。
観るに堪えない程ではないので、観続けるワケだが、物語はラストまで予定調和だ。
本作「精霊の守り人」にも、ＮＨＫの朝ドラと同じよーなものを感じたのは、私だけだろうか。

あまりに抽象的過ぎるので、ちょっと具体的に。
私はあまり鋭敏な感覚の持ち主ではないので、スパイスに該当する全ての分析はできなかったが、まず挙げられるのは、悪人の有無であろう。
うへぇ；と思わせるような悪人の存在は、ストーリーを面白くする上で、必須のスパイスだ。
ところが本作「精霊の守り人」には、真の悪人が一人も登場しない。
ＡＬＬ善人で構成された物語なのである。
これでは、完成度の高さにかかわらず、ストーリー展開の間延び感が拭えないのも、自分的には道理なのだが。。
スパイスが効きすぎて、「悪」ばかりで構成された物語というのも、もちろんいただけないものだけれど；

さて、料理に例えて少々辛口レビューを投稿したが、本作には特筆すべき点も。
それは皮肉のよーだが、料理の作画の美しさである。
もう、芸術に近いキラキラしさとゆーか、ヨダレもの；
バルサの焼いたウナギ、私も食べた～い；；