ほるん吹き さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態：観終わった
ハーレムアニメの結末は主人公次第！？
主人公ハーレムのアニメの王道的展開といえば、性格や属性の異なる数々の女の子が、あの手この手をつくして想いを寄せる主人公に、それぞれのやり方でアタックしていく、というもの。
恋する乙女たちの姿が可愛らしくもあり、その健気な様子が微笑ましくて時には応援したくもなります。
そして主人公の性格として、よくあるのは鈍感。あからさまなヒロイン達の好意にも全く気がつかない。もうね、ホモなんじゃない？ってくらい気がつかない。フラグが立っても投げっぱなしになり、女の子が主人公にどんなに尽くそうが、報われることはほとんどありません。
あとは無気力で冷めた感じのやれやれ系。女の子からの好意に気づいていても、なんやかんやと理由をつけてそれをかわしていく。上から目線で人を見下しているようなキャラが多いですね。
時にヒロインを助けるためカッコイイ一面を見せることもあるけど、基本的にハーレムだけのアニメの主人公ってあまり人気はないんじゃないですかね（偏見ですけど）。たくさんの女の子に言い寄られながらも、どっちつかずでふらふらしている様子は観ていてあまり気持ちのいいものではないですからねw
でも従来のハーレムアニメが、女の子可愛い！とか、ギャグおもしろい！、と平和的に終われているのは、そんな主人公の性格のおかげなのだと、今作を観て改めて思ってしまいました。実際ハーレムがあったとしたら、一人の男を奪い合う女たちの骨肉の争い～とか、もっと昼ドラ的なドロドロの展開にもなってもおかしくないわけですから。
本作の主人公は、序盤こそ恋愛に不慣れなだけのピュアな少年と言った感じでしたが、{netabare} 終盤は自分の欲望の思うがままに行動して数々の女の子をもて遊んでいく、異常なまでの浮気性となり、ハッキリ言って最低な男へと変貌していきました。
まぁヒロインたちにも相当問題はあったと思いますが…。本性を露わにした女の子たちがまた恐ろしかったです。世界の狂いようにも驚きでしたが、特に言葉、いや言葉様のヤンデレ化はあまりに衝撃的すぎました。
主人公にしろ、ヒロイン達にしろ、とにかく彼らの人間としての黒い部分ばかりが出てきて語が進んでいき、従来のハーレムアニメとは異なる結末となりました。
そんな内容になるとは全く予想のつかないさわやかなＯＰにもすっかり騙され、意表を突かれた！という意味では楽しめましたが、鬱展開が苦手な人にはトラウマものの作品にもなりかねないのでは。
あと、個人的には「かーなーしーみのー」「中に誰もいませんよ」などの元ネタがこの作品だと知れたのはよかったですw{/netabare}
