佑太郎 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
俺は、ハルヒに会いたかった。
破天荒なヒロイン、涼宮ハルヒが自ら作り出した部活「SOS団」のメンバーと共に繰り広げる騒動を描いた学園SFアニメの劇場版。
クリスマスを目前に控え、パーティーの準備に取り掛かっていたSOS団。
しかしある日、主人公キョンだけが「涼宮ハルヒの存在しない世界」に移動してしまう。
元の世界に戻るために行動を始めるキョン。
やっとの思いでSOS団の一員である長門有希を探し出すのだが…。
ハルヒがメインではなく、キョンと長門にスポットを当てた作品です。
ありふれた日常(非日常)が突然失われ、力を借りれる仲間もいない状態に陥ったキョンの目線で物語が進行していくので、視聴者側は感情移入しやすく、そのためキョンの恐怖感や苦悩がこちらにダイレクトに伝わってきます。
ハルヒシリーズおなじみの、視聴者側も一緒に事件に巻き込まれている感覚を作り出す手法は相変わらずすごいと思います。
中盤からは物語が大きく動き出し、ダイナミックに展開していくストーリーから目が離せなくなります。
音楽も非常に良く、特にエリック・サティの名曲「ジムノペディ」は本当に素晴らしい。
また、キャラクターの表情やしぐさなど、細かい心情描写がとても丁寧に描かれています。
そのためか、3時間近くの長時間作品となっていますが、時間の長さを全く感じさせないほど引き込まれます。
他にも見所のシーンはたくさんあるが、特に良かったのは物語終盤、舞い落ちる雪の中、夜景が美しい病院の屋上で会話するキョンと長門のシーン。最高の名場面です。
是非一度御覧いただきたい。
まさに小細工なし、シナリオとアニメーションのクオリティだけで直球勝負。これが京都アニメーションの本気か。
物語、作画、音楽、どれをとっても最高レベルの作品だったと思います。
それといつもは無機質キャラの長門が、今作では理由あって様々な表情を見せます。
そちらも見所となっていますので要チェック!
ハルヒシリーズの一期と二期は観たけど劇場版はまだ観ていないという方には、是非オススメしたい作品です。
そうでない方も、シリーズを今から観始めてでもこの作品を観ていただければ嬉しく思います。
そのくらい価値がある傑作です。
可能性は低いと思いますが、いつか続編がアニメ化されると嬉しいですね!