ともか さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
まるでドラマのような展開。 最終回まで観て初めて意味を成す作品。
P.A.WORKSのオリジナルアニメ作品。全13話。
最初に一番伝えたい一言。
この作品は「少し かじってみよう」という軽い気持ちで観始めるのはおすすめできません。
「物語のすべては最終回のためにある。最後まで観ないと意味が無い!」
と言っても過言ではないと思います。
私はみんなが一つの目標に向かって頑張る姿を描いた作品が大好きなので、
この作品視聴開始直後の印象は とても良かった。
ところが、1話1話の終わり方がいちいち暗く、
何かしら理不尽な事が起こって、その後どうなっていくのか?
という次話へのつなげ方は正直言って印象が悪かった。
連続視聴だったので文句を言いつつも完走できたが、
もし1週間に1話ずつ観ていたら、私は途中で断念していたと思う。
それでも、どんな困難にも負けずに1つの目標に立ち向かっていく5人の姿を見ていて、
感情移入はできなかったものの、見ていて応援したい気持ちになった。
{netabare}学園祭中止の理由が
マンション建設のための廃校というのは無理がある。
ほんの数日後に控えた学園祭、生徒たちも着々と準備を進めていたところで
突然中止を告げる、{/netabare}というのはご都合主義にしてもあり得ないだろう。
伏線を張っては次話で回収、という繰り返しも本作の特徴だと思う。
そのおかげで理解力・記憶力が弱い私にも分かりやすかったし、
その後の展開もけっこう読みやすかった。
1話ごとにみんなにスポットが当たって、
1人1人が背負っている過去も順番に明かされていく。
作画について、
キャラや その動き、背景や、物の一つ一つに至るまできめ細かく描かれており、
定評のある「京都アニメーション(京アニ)」にも全く負けていない、
大変すばらしい出来だったと思う。
音楽について。
OP曲 … Dreamer
ED曲 … 潮風のハーモニー
第2話特殊ED … 心の旋律(#2ED Ver.)
第6話特殊ED … 心の旋律(#6ED Ver.)
最終回特殊ED … 潮風のハーモニー(#13ED Ver.)
挿入歌は数えきれないほどあるが、印象に残ったのは やはり
第2話と最終回の「心の旋律」だった。
(個人的に)ここ最近印象的なアニソンが少ない中で、
久々に良曲にめぐり会えた気がして少し嬉しい。
この作品の合唱録音に協力した学校はコンクールで金賞を取ったらしい。
その実力は伊達ではなく、この作品に素晴らしい貢献をしてくれた思う。
ただ一つ…
「白浜坂高校校歌」を全校生徒が斉唱するシーンでは
歌素人レベルの方々を起用するほうが良かった気がする。
全校生徒でコンクールレベルの合唱をされてしまっては、かなり違和感があった。
7話からED映像が変わった(?)。
6話まで{netabare}一人離れて座っていた子が中央に来て正面向いている。
きっと、その子が7話で「合唱時々バドミントン部」に正式に入部{/netabare}したからだろう。
他にも途中映像が変わった回があるかもしれないが、
私が気付いたのはその部分だけだった。
このように、物語の進度に応じて映像が変わる演出は個人的に結構好き。
キャラは序盤に一気に出しすぎたように思える。
第3話辺りまでで大多数のキャラが出尽くしてしまうので混乱。
「えぇと、この人は○○(趣味)の人。」
「この人は□□さんの母親で、教頭先生の旧友。」
といった具合で、名前は一切覚えていない。
顔と その人の特徴や血縁関係等を一致させて何とか理解していた状態。
個人的にはもう少しくらいキャラに個性を持たせてほしかった。
気ままに綴っていたら長くなってしまったので、ここらでまとめます。
この作品は音楽が中心だと思って観ると痛い目に遭います。
ましてや音楽系アニメ「けいおん!」のような楽しい作品とは全く異なります。
各々異なるものに興味を持つ5人が音楽を共通として集まり、
みんなそれぞれの過去があるから、それぞれの今がある。
「心」を描いた作品としては秀逸な作品だと思います。
繰り返しになりますが、1~12話全てが最終回のためにある構成で、
「最後までたどり着けば大きな感動が待っています!」というタイプの典型的な作品です。
私は「最後のため」を待つことができないタイプなので
本格的な合唱シーンがなかなか聴けず、非常に焦れました。
視聴者をハラハラさせて最後まで飽きさせない作りになっている点は
作り方が非常に上手いと思います。
先述のようにドラマを観ているような気分になるような展開が続き、
この点では個人的には好まないけれど、
最後はとても{netabare}爽やか{/netabare}な終わり方で安心しました。
でも、やっぱり楽しく合唱してるシーンをもっと多く観たかったなぁ~。