ワッキーワッキー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
エヴァっぽい?
前章まで観ないと全く意味が分からないと思いますのでフルでネタバレとさせていただきました。
第一印象はエヴァっぽいかなと感じました。
それは、なぜかと考えた時、淡く温かみのあるオレンジの灯りのなかで、雪が舞う風景が羊水の中の胎児の視点を感じたからではないかと思いました。
さらに、羊水の中に光が当たっているからこそ両儀式が人格として黒桐の前に出て来たのではないかと思います。
エヴァの内部もLCL溶液が羊水のように描かれていて、おそらく意識して描かれている部分が類似しているように感じました。
そして、最初は雪が延々と降る風景に見えますが、式の声にエコーがかかり始めるあたりから、雪が羊水の中で浮遊するカスに見えはじめ、内容も根源に迫ってきます。
また、作中語られる両儀式の視点が「夜の海」と言うのも羊水の中を感じさせるものでした。
であるとしたら、式と織、両儀式の関係が式の行動があるからこそ両儀式は世界を知ることができるというのは、母とお腹の中の子供の関係に近いということなのかもしれません。
そして、語られる真実が根源というのも納得できるものであると感じた話でした。
余談ですが、この作品からのきょうかいを私はそらのきょうかいと終章を観終わるまで勘違いしてました。お恥ずかしいですw
気づいた時に思ったのが、最近読んだ漫画のリューシカリューシカに出てくるドーナッツの穴の話です。
ドーナッツの穴は、空洞でありそこには無しかありません、ですが人は「穴がある」といいます。その無はドーナッツがあって初めて私たちはそこの穴にある無を認識できるというおはなしです。
さて終章のからの境界は、その無をどのように定義していくのでしょうか?ぜひ観て答えを納得や否定してほしい作品だったと私は思いました。