ヒロトシ さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態：観終わった
光と歌の青春ストーリー
歌がテーマなのはご承知の通りなのですが、設定資料集を読むと、美術監督の東地和生さんは光に相当こだわってたそうですね。それを読んでから光の部分に着目して再び見直したりしました
確かに光の差込具合やホワイトボードに背景の映り込みが凄く細かい所まで描かれていて仰天しました。まあ実際はアニメ用の演出で光の差込具合は現実世界より大袈裟にごまかしたそうですが、花咲くいろはでは逆に光の演出は現実世界に即したものだったそうですので、所謂光の職人さんと言いますか、こだわりというものを感じ取った作品でもありました。
歌がテーマという事で、音楽の持つ力というか視聴者に与えるインパクトはかなり計算されてらっしゃると思います。それは分かりやすい形で言えば、声優さん皆歌が上手い！って所ですね。かといってそれに頼りすぎず、高校生の等身大の青春を挫折や仲間といった要素を世界観を大事にしながら取り込んでいって、登場人物のトラウマを解消させていきながら、ラストにまで綺麗に持っていったのは評価出来ます。
後凄いと思ったのは、男女の距離感ですかね。
ちょっとハーレムアニメに毒されつつあるのか、男と女の関係がこの作品若干リアルな印象を受けまして、決して仲が悪いわけではないんですけれど（むしろ良い方だと思います）肝心な部分ではきちんと線引きが出来ていて、女子は3人でよくつるんでるし、男子は2人でよくつるんでいるシーンが散見していまして、それが印象的でした。考えると普通の感覚なのかもしれないんですけど。
合唱部のオーディションに紗羽が来ないかも！という場面で慌てる女子連中を尻目に、腹を括ったのかさほど動揺を見せず、入念に準備をする男子達。このシーンが特に女子と男子の違いというのを現しているような気がして、演出の所も話の展開もそうですが、いろんな部分で丹念に作られているなあと感じました。非常に見ていて気持ちの良い作品ですね。
